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「すべてはコミュニティから始まった」創業メンバーが明かすギルドワークス起業の理由 #agile #devlove

2014.05.12 Category:インタビュー Tag: , , ,

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「DevLOVE」のFounderであり、アジャイルソフトウェア開発、リーンソフトウェア開発のエバンジェリストの1人である市谷聡啓氏が「正しいものを正しくつくる!!」をテーマに掲げ、志を同じくする仲間とギルドワークス株式会社を立ち上げた。

設立まで経緯や、この先目指すものとは何か、創業メンバーである市谷聡啓氏、増田亨氏、上野潤一郎氏に伺った。
by 馬場美由紀 (CodeIQ中の人)

すべてはコミュニティから始まった

開発(Develop)を愛する(Love)者たちの集まり――だから、「DevLOVE」。「開発の楽しさを発見しよう。広げよう」「開発の現場を前進させよう」の2つをテーマに、各地で勉強会やイベントを開催しているコミュニティである。ギルドワークスに集った仲間との出会いも、そのコミュニティ「DevLOVE」がきっかけだった。

「以前、あるSIerで働いていた頃のこと。それなりに大きな規模の会社だったのですが、組織が大きいだけに、部署やチームの数も多い。そうなると、それぞれが自分たちの目先の仕事に追われるあまり、殻に閉じこもってそれぞれ交流もなく、ともすると、隣の現場で何をしているのかも知らない状態になっているんです。

自分たちがやりたいのは、もっと“いい開発”であるはず。クライアントにとっても確かな値打ちのあるものを提示したい。ところが、現実は決してそうはなっていないんです」(市谷氏)

市谷聡啓氏
ギルドワークス株式会社 代表取締役 市谷 聡啓氏

そんな現実に鬱憤を溜めこんでいた市谷氏は、「フォーマルとは違う、エンジニアが横に繋がる場所を作ろう」と、仲間と相談、社内SNSなども通じ、社内勉強会を立ち上げる。これが、今に繋がるコミュニティ「DevLOVE」の第一歩だった。

自分一人で旗をふるのではなく、最初から仲間と2人で立ち上げたのは、それまでのほかの経験から、「最初の気持ちが熱くても、1人で頑張るだけではなかなか続かない。けれど1人だと心が折れてしまいそうな局面に遭遇しても、2人なら何とか乗り切れる」と思ったからだという。

「それが2008年6月のこと。最初は社内でやっていたのですが、そうこうするうち、社外にもコミュニティを広げていこうと思うようになりました。外に出て行けばさらに参加してくれるエンジニアの母数が広がり、もっと多様な経験を知る機会も増えると考えたのです」(市谷氏)

そして「DevLOVE」は、2009年以降、会社の枠組みを越えたコミュニティとして活動するようになった。もちろん「社外に広げる」といっても、最初は誰も知らない存在。SNSなども通じて声をかけ、そこからまた口コミで――と、少しずつ輪は広がっていった。

創業メンバーたちの出会い

ギルドワークス設立メンバーの1人、上野潤一郎氏も、そうして「DevLOVE」に加わったのだという。2009年とのことなので、「DevLOVE」が外へと広がって間もなくのころである。

上野潤一郎氏
ギルドワークス株式会社 上野 潤一郎氏

「もともとは、当時僕がいた会社の仲間に、Flashをテーマに講演依頼が来たんです。その応援ついでに僕も参加したのがきっかけで。その後、Twitterでいきなり市谷さんにフォローされて、『誰だこれ?』と思ったりも(笑)。

そうこうするうち、当時の会社は、会議室を結構オープンに貸し出せるような状況だったので、時々そこで『DevLOVE』を開くようなことになり、より密接に関わり始め、気が付いたらメンバーとして一緒にやるようになっていたという感じですね」(上野氏)

同じくギルドワークス設立メンバーで取締役の増田亨氏は、DevLOVEの講演者として呼ばれたのがきっかけ。

「テーマはドメインの駆動設計。2011のことだったかな」(増田氏)

増田亨氏
ギルドワークス株式会社 取締役 増田 亨氏

しかし、多くはそれぞれの会社の中で、クライアントがいて行われる開発。コミュニティが会社の枠を越えて広がる状況化で、お互いに「話せること/話せないこと」の切り分けは難しかったのではないだろうか。

「確かにそう指摘されることも多いんですが、意外と話せてしまうものなんです。ソフトウェア開発と一言で言ってもそうですね、ただそこには、『何を作るか』『どうやって作るか』の二面があると思うんです。
『何を作るか』は、どういうクライアントで、どういう業務に関わるソフトなのかという部分で、『どうやって作るか』はエンジニアリングそのものであり、プロセスの話。開発の現場にいると、みんなだいたい同じような局面で同じような問題に突き当たるので、どうやってやるかという話はとても有意義なんです。僕自身、山ほど困っていましたしね(笑)」(市谷氏)

これには、上野氏も「そう。どうクリアしていったか、という部分こそ、エンジニアには価値があるんです」と同意する。

「加えて、いつ頃からとははっきり言えないけれど、かつてのソフトウェア開発は、それぞれベンダー固有の技術に立脚していたけれど、それがだんだんと、スタンダードなもの、オープンソースのものに移行していった。会社ごとの技術を使っているなら外の人間と話し合う意味はあまりないかもしれないが、同じ技術を使い始めて、こうした会社をまたがったコミュニティの意味がぐっと大きくなったんです」(増田氏)

一つの技術分野にこだわらない

また、「DevLOVE」は、何か一つの技術、一つの分野に特化せず、とにかく開発に関わる話題であれば何でも扱うという特色があった。

「ある時はFlex、ある時はJava、ある時は組織――当然、自分にとってこれは必要、これは興味がある、という度合いは、テーマによりさまざまだと思います。したがって、興味があるものを選んで参加してくれれば、それでいい、というスタンスです。

エンジニアの生き方みたいなテーマも、当初から結構ありましたね。経験豊富な、エンジニアとしての先輩、大先輩にあたる方を招いて、どうやってきて、これからどうするのか、なんてことを話していただいたり。

僕自身、コミュニティを通して、『外』を見たからこそ、結局、転職に踏み切ることになったんだと思います。一方で、外を見るといろいろな価値観や基準がある。もっと経験を積み、スキルの幅も広げたい。SIerの中だけではなく、さまざまな世界に身を置きたいと思うようになったのです」(市谷氏)

⇒(後編)開発も会社も「アジャイル」に。創業メンバーが明かすギルドワークス起業の理由」に続く

<取材者プロフィール>

市谷聡啓氏市谷 聡啓(いちたに としひろ)氏
ギルドワークス株式会社 代表取締役
システム企画案やサービスのアイデアからのコンセプトメイキング(プロダクトオーナー支援)、アジャイル開発の運営・マネジメントを得意とする。属している組織にも分野・言語に捉われない、開発エンジニアのためのコミュニティ「DevLOVE」のFounder(設立者)。「リーン開発の現場 カンバンによる大規模プロジェクトの運営」(Henrik Kniberg著)の共同訳書もあり、アジャイルソフトウェア開発、リーンソフトウェア開発のエバンジェリストの1人。

増田亨氏増田 亨(ますだ とおる)氏
ギルドワークス株式会社 取締役
業務アプリケーションのアーキテクト。
ビジネスの関心事を正しく理解し、顧客に価値あるソフトウェアを届けるために、日々「ドメイン駆動設計」を実践している。
日本最大級の60万件以上の求人情報サイト「イーキャリアJobSearch」の主任設計者。非同期メッセージング/API/クラウド技術を組み合わせた疎結合のシステム間連携方式でサービスを支えている。

上野潤一郎氏上野 潤一郎(うえの じゅんいちろう)氏
ギルドワークス株式会社
UI周りを得意とし、Webやスマホのアプリ機能を上手く活かせる方法を提案。かつてテスト専門部隊に所属していたこともあり、テストの視点から全体観を見渡し整合性を見極めることを重要視している。クラウド(主にAWS)を利用してインフラからシステムやサービスを支える。大手音楽業界の社内Webアプリケーション、写真管理サービス、AWSを用いた音楽配信システム、学校向け校務支援Webアプリケーション、AWS環境移行などの実績を持つ。

(執筆:川畑英毅/撮影:刑部友康)

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