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オフィスは茶の間、まかないは団欒。リモートワークのソニックガーデンがオフィスを大切にする理由

2014.06.06 Category:インタビュー Tag: ,

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社長の倉貫さん自らが料理し、ふるまうことで話題となったソニックガーデンの「まかないランチ」。リモートワークを推進する同社は、なぜオフィス内でのランチにこだわるのか。

現在、同社の「まかない」サービスを請け負うジェントルワークスの串田さんに、まかないランチがソニックガーデンのリモートワークにどのような影響を与えているのかについて、寄稿いただきました。
by 馬場美由紀 (CodeIQ中の人)

フランクに真面目な話をするには、ランチが一番!

ジェントルワークスの串田です。

弊社は、ソニックガーデンから一部出資を受け開業し、小規模企業や個人事業主の方に「小さな会社のお手伝いさん」サービスを中心に展開しています。 ソニックガーデンには、総務・庶務代行のほか、「まかない」のサービスを提供しています。

今回はそのソニックガーデンのまかないについて、完全には「中の人」ではないのですが、いつも一緒にご飯を食べている「半中の人」として見た、その意義についてお話します。

ソニックガーデンが「まかない」を始めたのは、9月の初めぐらいだったと思います。毎週ではありませんが、金曜日のランチはまかないとしていました。ちなみに、最初のメニューは「牛丼」。それからジェントルワークスがご提供を始めるまでのメニューは、全て「丼もの」でした。

ご存知の方も多いと思いますが、社長の倉貫さん自らが料理して、社員にふるまっていました。

当初、会社でまかないを始めたいと相談を受けた時、「社員全員でランチを外食するのは、人数的には無理がある。でも、一緒にご飯を食べながら会社の話をざっくばらんにするのは、貴重な時間の使い方としても、『同じ釜の飯』という考え方からも、ソニックガーデンにとっては有意義だと思う」と、まず社長の“想い”を伝えられました。

会議ではフォーマルすぎる。飲み会では砕けすぎる。フランクに真面目な話をするには、ランチというタイミングがちょうどいい。それが、ソニックガーデンがまかないを始めた動機です。

その後、ジェントルワークスがまかないを請けることになり、また少し様子が変わっってきました。社員たちも回数を重ねるごとに、まかないランチという「場」の使い方がわかってくるようになってきたのです。

当初は、まかないの場で話す議題がなくてもまかないランチを作っていたのですが、今は何か話したいことがある時だけ、まかない実施のオーダーが出されます。

さらに、まかないの実施は社長の号令で決まっていましたが、社員からも何か全員と話をしたいことがあれば、まかないの場を使うようになってきました。これは何かに似ているな、と最近思うのです。それは「家族会議」なんじゃないかと。

最近のご家庭では少ないのかもしれませんが、家族に「伝えたいこと」を話すときには、比較的食事の時間が多いのではないでしょうか。ちゃぶ台はないかもしれませんが、サザエさんの夕食シーンのような。

ソニックガーデンがリモートワークを推進する理由

ソニックガーデンという会社は、「採用にしろお客様との契約にしろ、会社として相手を選ぶというのは『結婚』のようなもの」と、よく話しています。結婚した社員の家族は会社にとっても家族。ホームページの採用情報にも「家族を大事に」という言葉を入れているように、社員の家族を含めて、全てを家族のように扱うことを大切にしています。

「社員」という家族それぞれが、自分の思うことや会社について話ができる「場」としてのまかないは、ソニックガーデンに少しずつ、なくてはならない時間と空間になってきています。

ソニックガーデンのもう1つの特徴として、リモートワークを推進していることが挙げられます。兵庫と岡山にそれぞれ1名ずつ、自宅を作業場所にしている社員を採用しています。そのほかに普段はオフィスに通っている社員も、気象条件により通勤困難なときはもちろんのこと、家の用事(例えばお子さんが熱を出したとか)でも、自宅で仕事をしてもよいことになっています。

リモートワークを推進する理由も、きちんと述べています。

極端な効率を求めるなら、リモートワークだけで“オフィスはいらない”という考えに至ると思います。それでもソニックガーデンが過ごしやすいオフィスを構えるのは、「家族の茶の間」としての役割を持っていて、いつでも社員がここに集まれる場所があることが、家族のような「繋がり」を物理的に演出していることになるのだと思います。

リモートワークを推進する会社だからこそ、実はリアルなコミュニケーションを大切にしています。まかないでは「団欒」という言葉でその大切さを表してみましたが、普段の作業時間中では「雑談と相談」が大切だと考えています。

報告・連絡・相談。そして雑談に必要なツールを自分たちで作る

報告・連絡・相談に象徴される「会社で大事なコミュニケーション」ということを、ソニックガーデンでも新人には教えています。ただ、これは「仕事の進み具合を適切なタイミングで伝え、次の指示を的確に出してもらうための行動」と位置付けています。

まだひとりで十分な成果を出せないうちは、このホウレンソウが大切ですが、ある程度の仕事を「任されて」いるエンジニアには、自分の考えを最終的に判断し決定付けるための「アイデアを浮き上がらせる雑談」と「迷いを取り除く相談」のほうが重要です。

このザッソウを実現するために、いくつかのツールを自分たちで開発しました。

  • 離れた場所で働くためのバーチャルオフィス「Remotty
  • インストールもなくログインもなく画面共有ができる「sgSCREEN

離れているからこそ、極力リアルな感覚でコミュニケーションをとることが、ソニックガーデンがオフィスを大切に考えることに繫がっています。

ちなみに、まかないの日に遠隔地の社員はどうするかというと、Skypeなどのリモートチャットツールを使って、会話にだけは参加しています。普段、まかないを食べられないので、年に数回来るオフィスでのまかないを、とても楽しみにしてくれています。

効率を重視したビジネスと、人を大切にする組織づくりが自慢のソニックガーデンを支えるべく、今後もまかないが楽しみになるようなランチを提供していきたいと考えています。

串田幸江さん

寄稿者プロフィール 串田幸江さん
株式会社ジェントルワークス 代表取締役社長
株式会社ソニックガーデンから一部出資を受けて開業。小規模企業や個人事業主に「小さな会社のお手伝いさん」サービスを中心に展開中。

ソニックガーデン伊藤淳一さんから出題のRubyの問題が出題中です

今回記事で紹介したソニックガーデンでエンジニアとして活躍されている伊藤淳一さんから、Rubyの問題を出題中です。

正解者の中から3名様に、ソニックガーデンCEO・倉貫義人さん執筆の『「納品」をなくせばうまくいく ソフトウェア業界の“常識”を変えるビジネスモデル』をプレゼント!奮ってご応募ください。

  • 問題:メロディのキーを自由に変更できる「カラオケマシン」を作ってください
  • 締切:6月30日(月)AM10:00まで
  • 挑戦はこちらから

ソフトウェア開発の業界で〝常識〟とされているビジネスモデルを変える

『「納品」をなくせばうまくいく ソフトウェア業界の“常識”を変えるビジネスモデル』
(倉貫義人著/出版:日本実業出版社)

日々アジャイルソフトウェア開発とリーンスタートアップを実践する倉貫さんの書籍。「受託開発」なのに「納品」をしない、なぜそんなことをやっているのか、そして、なぜそんなことが実現できるのか、その秘密についてを解説されています。

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