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テクノロジーとアートを紡ぐ──チームラボはどんな発想でアプリを作るのか? #unity

2014.06.24 Category:【連載】きゃんち☆ギークライフ Tag: , , , ,

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世間をあっと言わせた「お絵かき水族館」をはじめ、テクノロジーとアートを紡ぐアプリやサービスを次々と発信し続けるチームラボ。その発想はどうやって生み出しているのか。

今回はチームラボに「HTML5 Japan Cup 2014」に応募するアプリのアイデアを生み出すヒントを得るべく取材に向かった。
by 馬場美由紀 (CodeIQ中の人)

チームラボのエンジニアは、どんな発想でモノづくりするのか

きゃんちを最強のギークガールに育成するプロジェクト。
その道のりの一つとして、きゃんちとナビゲーター役の増井雄一郎氏は、「HTML5 Japan Cup 2014」での優勝を目指し、アプリ開発に挑む。その応募締切は6月30日。のんびりはしていられない。とはいえ、どんな発想で企画を考え、形にしていけばいいのか悩むきゃんち。

そこで、企画創出のヒントを得ようと訪れたのが「チームラボ」。テクノロジーとアートを軽やかにつなぎながら、世間を驚かせるアプリやWebサービスを次々に開発しているウルトラテクノロジスト集団だ。東京・文京区の本社を訪ね、さっそくギークエンジニアたちとのアイデアソンに臨んだ。

貴重な時間を割いて、チームラボから参加してくれたのは、CTOの田村哲也さんと、4人のエンジニアたち。昨年各方面で話題になった、「お絵かき水族館」などを開発している面々と聞いて、きゃんちは興味津々。まずは、メンバーの自己紹介から。

きゃんち:この前、Unityの講座で「お絵かき水族館」のデモを見て、びっくりしました。描いたものがそのまま大きな画面に取り込んで、動き出すなんて、考えられない。間近で触ってみたいなあ。やっぱ、今度訪問するんだったら、チームラボさんしかないだろうと思ってました。

田村:うちのインタラクティブ・チームを中心に、社内のいろいろなエンジニアが参加して作っているんですよ。

増井:僕もかつてはプレイステーションのゲームを書いていたんですが、あの頃は、Unityなんて便利なエンジンがなかったんで、Cでゴリゴリ書いてました。Unityは最近始めたんですが、これはスゴイツールですよね。

近藤:私は昨年新卒入社。コンピュータビジョン・チームで画像処理を担当しています。「お絵かき水族館」では、子どもたちの絵をスキャンして、画像の中に送ったり、人の動きを感知して画像を動かすなど、バックエンドのアプリを開発しています。

杉野:僕は、2011年からUnityにはまり始めました。Unityの紹介映像がかっこよくて、使ってみたらいいツールだし、一人でやっているのはもったいない。で、社内で宣伝しまくってUnity人口を増やし、インタラクティブ・チームを発足させ、人を集めました。

これまで、3次元教科書(teamLabBody)、アート作品、ファッションショーの演出、デジタルショーウィンドウ、テレビCMなどに使っています。

Unityは、ゲーム開発用のエンジンなのですが、チームラボでは、このように、インタラクティブ・インスタレーションやアート作品の制作で使用しています。ノンゲーム系の案件に使い始めたのは、ぼくたちエンジニアによるアイディアですが、「使いやすいしかっこいい!」という個人的な感想が元になって、チームまで発足して作品を作れる環境だからこそ、挑戦できたのだと思います。

増井:自由に発想するためには、環境が大切ですね!ところで、「お絵かき水族館」で、なにか大変だったことってありますか?

杉野:「お絵かき水族館」はライブ会場で、スキャナと画面のインタラクションが重要。直前にスキャンデータの通信処理回りでバグが発見されて、大慌てで直したこともありました。

田村:何が起こるかわからないというのが、ライブイベントの怖さでもあり、面白さでもありますよね。

恋人たちの願いを表現する、インタラクティブなクリスマスツリー

ライブイベントといえば、李昊哲(り・こうてつ)さんが中心になって開発した、「願いのクリスタルツリー」も面白い。昨年のクリスマス、福岡のキャナルシティ博多で展示された。

約5万個のフルカラーLEDチップを配置した立体ディスプレイで、参加者がスマホをタップすることでそれをリアルタイムにコントロールできる。これをWeb上からシミュレーションするシステムを、Unityで開発した。

李さんは、北京出身で、米UCLA→米国企業を経て、インタラクティブなプロダクトを開発したくて、チームラボに入社した異色の人材。

さらに学校で学んだメディアアートを活かし、普段はデジタルサイネージの開発に取り組むが、個人的に社外のエンジニアとプロジェクトを組んで、筋電センサーを使ったウェアラブル・デバイスの開発を続けている大石啓明さんなど、いずれもウルトラテクノロジストの名に恥じないギークばかり。

さて、きゃんちと増井さんの企画づくりに、どんなアドバイスをしてくれるのだろうか。後編に続く!

<取材対象者プロフィール>

田村 哲也さん
チームラボ 取締役/ディレクター/共同創設者
東京工大大学院修士課程卒(機械制御システム工学専攻)。大学では、バックステッピング法による浮遊リンクの姿勢制御を研究。2001年3月、チームラボ創業メンバーの一人。創業初期はプログラム開発・アルゴリズム提案を多数行う。1週間寝ずにコーディングすることもあった。現在も開発の一線に立ち、開発部全体のマネージャ業務を行う。

杉野 裕則さん
テクノロジーDiv. /インタラクティブ・チーム
インタラクション・エンジニア
鈴鹿高専を経て武蔵野美術大学を卒業後、2011年にチームラボに入社。インタラクティブなコンテンツの作成を手がけ、2011年ごろから、Unityによる開発を進める。書家・紫舟さんらと組んだインスタレーション「世界はこんなにもやさしく、うつくしい」、「teamLabBody」などを担当。

近藤 直人さん
テクノロジーDiv. /コンピュータビジョン・チーム
エンジニア
大学は経済学部だが、学生時代は高速なAndroidカメラフィルタの実装などをしていた文系プログラマ。
2013年新卒で、チームラボ入社。
「お絵かき水族館」、「雲プロジェクト」などを担当。

李 昊哲さん
テクノロジーDiv. / インタラクティブ・チーム インタラクション・エンジニア
北京出身。米UCLA卒業後、ロサンゼルスの会社でアートディレクションを担当。友人の紹介でチームラボの作品を知り、デザインだけでなく自分でも開発したいと、2013年、チームラボに転職。「願いのクリスタルツリー」、「チームラボ☆トランポリン大砲で、ぴょんぴょん飛んで、いろいろぶっ放せ!の巻」などを担当。

大石 啓明さん
テクノロジーDiv. /インタラクティブ・チーム
インタラクション・エンジニア
2012年入社。「デジタルインフォメーションウォール」および「P-Wall」では、デザインとプログラムを担当。単なるデザイナー視点ではなく、開発工数やコストを踏まえた新しいサイネージ提案は、クライアントからも高く評価された。その他、「瀧心図」、「ぼくのクルマはどこに行くの?」などを担当。

ナビゲーター 増井 雄一郎さん
1976年、北海道生まれ。札幌大学経営学部卒業。大学時代に起業。2003年にフリーランスとなり、Ajax、Ruby on Railsなどを使ったWebアプリ開発や執筆で活躍するギークエンジニア。08年に渡米し、中島聡氏とともにアプリ開発会社を立ち上げる。10年に帰国し、Appceleratorの「Titanium Mobile」エバンジェリストとして活躍。
現在は株式会社トレタCTO。
Twitter:@masuidrive 

レポーター 喜屋武 ちあきさん
きゃんちのニックネームで親しまれる。
職業はオタク>アイドル。グラビアアイドル復帰なう。アニメ・ゲーム・マンガ・活字が大好き。男装ユニット風男塾のリーダーでもある。技術とプログラミングを学び、ギークガールを目指す。
喜屋武ちあきオフィシャルブログ:きゃんちまいんち!
Twitter:@kyanchiaki

(執筆:広重隆樹/撮影:勝尾仁)

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