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さあ、女の子たちもコード書こうよ!「Code Girls」が拓く、女性エンジニアの未来

2015.04.09 Category:インタビュー Tag: , ,

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中学生、高校生のためのプログラミングキャンプやスクールを展開する「Life is Tech!(ライフイズテック)」では、2014年から参加者を女子中高生に限定したITワークショップ「Code Girls」を開始した。

女の子たちに潜むプログラミング能力を開花させるための基礎トレーニング。そのコンセプトやメンターたちの活躍を追った。
by 馬場美由紀 (CodeIQ中の人)

女子中高生限定。企業とコラボし、さまざまな刺激を提供

世の中のWebサービスやITシステムは、当然ながら女性も使う。女性向けに特化したサービスもある。なのに、それを開発しているのはたいていが男性。企画やデザイン畑への女性進出は珍しくないが、コードを書いているのは、相変わらず男性ばかりという印象がある。

IT産業の雇用全体に占める女性比率が3割弱という現状を反映しているわけだが、果たしてこのままでいいのか。

「ITの世界って、どうしても男性が多いイメージがありますよね。女の子にはコードを書くのは難しそう、仕事もキツそうって。でも、そうなのかな。女の子もやってみようよ。たとえその子に向いていないとしても、この世界を知らないままに過ごしてしまうのはもったいないよ。そういうメッセージを発信したいんです」
と言うのは、ライフイズテックのアカウントプランナーで、2014年から「Code Girls」プロジェクトのマネージャーを務める原綾香さんだ。

▲株式会社ライフイズテック アカウントプランナー CodeGirlsマネージャー 原綾香さん

津田塾大在学中に「就業ログと逆求人を融合した就職支援システムの開発」というプロジェクトがIPA未踏IT人材発掘・育成事業に採択された、いわゆる「未踏」の人。ライフイズテックのメンターを経て、2014年同社に就職、「Code Girls」事業を任されている。

「Code Girls」は、ライフイズテックが手がける中高校生向けのプログラミングスクールの中でも、参加者(メンバー)を女子に限定しているところが異色だ。クックパッド、マイクロソフト、IBMなどのIT企業とコラボし、会場にそのオフィスを借りたり、その企業で働く社員たちの話を聞いたりなど、新しい趣向もある。

1日限りのワークショップがこれまで4回開催されているが、参加者のほとんどが「この日、初めてWebを作る」というような初心者だったという。

女子だけのワークショップを開くメリットは何だろうか。

「女の子が初めてコードを書くとき、そばにバリバリできる男の子がいると、かえって気後れしてやりにくい、ということがあると思うんです。ただでさえ敷居が高いイメージがあるのに、さらに高くなっちゃうというか」(原さん)

実際、男女を問わないスクールの募集には、まったく反応しなかった女子中学生が、「女子限定」というフレーズを聞いたとたん、俄然やる気になって応募してきたという例がある。初めてだから、わからないからこそ、気の置けない同世代・同性同士でワイワイやりながら楽しく学びたい、ということなのだろう。

100時間のトレーニングを積んだ素敵な女性メンターたち

「Code Girls」には、ワークショップ当日、メンバーをサポートするメンター役全員が女子学生という、もう一つの特色がある。

「プログラムを優しく教えてくれるだけじゃなくて、海外留学経験があったり、特技がダンスだったり、別の領域でもすごい才能を発揮している人たちばかり。メンバーはそんな“素敵なお姉さん”たちの姿に触れて、これからの進路や人生について、よい刺激を受けることができます」(原さん)

その“素敵なお姉さん”の一人が、福田恵里さん(大阪大学4年生=2015年3月取材当時)だ。大学ではスペイン語を専攻。アメリカと韓国に留学経験があって、そんな話に興味を持ってくれるメンバーもいる。コードとの出会いも、メンバーたちと変わらない。全くの初心者が何かのヒントで才能を開花させていくというプロセスを、自らが歩んできた。

「大学3年生まではアプリがプログラムで動いていることもよく知らなかったぐらい。それでもIT企業でインターンをするうちに、自分で作った事業プランをカタチにできたらいいなと思うようになりました。HTML、CSS、jQueryを勉強し、Webデザインからスタート。次第にバックエンドにも興味が湧くようになり、今はRuby on RailsやiOSのアプリ開発にも手を出しています」

若い人の才能を解き放つ教育事業の醍醐味を、ライフイズテックのメンター経験で味わってきた。4月からはそれを企業で活かす。

以前から、ライフイズテックで中高生の学びを支援する大学生メンターの力量には「素晴らしい」という評判があった。年齢が中高生に近いので、学校の先生とはひと味違う目線で接してくれる。キャンプやワークショップで子供たちのモチベーションを引き出すのが驚くほどうまい。

実はライフイズテックにはこうしたメンターを育成する研修プログラム「Life is Tech! Leaders」がある。アプリ開発の技術、生徒の可能性を引き出すファシリテーションスキル、教育や学習についての知識などを講座で習得。それを実際のキャンプやワークショップで活かしながら経験を積む。

技術研修60時間、実地研修40時間、計100時間の研修を受け、最後には自分で書いたコードなど成果物を提出しなければならない。リーダーズ選考希望者のうちメンターとしてデビューできるのは2割~3割と、かなりの狭き門だ。

福田さんと同様、山本祥子さん(東京女子大学3年生)もリーダーズ研修を経て、ライフイズテックのメンターになった一人。

「妹がライフイズテックのITキャンプに参加したことがあって、すごく楽しそうだった。それがライフイズテックを知ったきっかけ。メンターも募集していることを知って応募しました。大学では情報系を勉強しているんですが、教えることによって、自分自身が学ぶことも多い。メンターの仕事を通して自信が生まれ、就職もIT業界を目指すようになりました」

2014年暮れに開かれた「ITドラフト会議冬の陣2014」で、山本さんは見事、日本マイクロソフトからの指名を引き当てたのち、選考を経て2016年4月入社の内定を獲得した。リーダーズ研修やメンターの経験が、自分の可能性を広げたといえる。

「これじゃ、うっちーの顔が隠れちゃう!」

女子中高生だから、好きなアイドルの画像をネットから拾ってきて、ファンページを作るのが、いちばんモチベーションが高まるようだ。以前のワークショップでの話だが、サッカーの内田篤人選手のファンの子がいて、彼の写真をトップにあしらったのはいいものの、タイトル文字がどうしても写真にかぶってしまう。

「何なのこれ。これじゃ、うっちーの顔が隠れちゃう!」

という悲鳴を聞いて、駆けつけたメンターがフォントサイズや位置を直すためのHTMLコードを教える。写真の解像度の違いなどもこうして理解できる。

「Code Girls」としてのITワークショップもすでに4回ほど行われているが、原さんやメンターたちも学ぶことは多いという。

▲「Code Girls×Microsoft×戸板女子」でメンターを務める原さん、山本さん

「メンバーたちの吸収力がものすごく早くで驚きます。スクールで学ぶだけじゃなくて、自宅で熱心に復習も重ねている。2回、3回と通ううちに、JavaScriptを教えてくれ、jQueryを教えてくれと、だんだん要求が高度になっていきます。私たちメンターもスキルを磨いておかないと、メンツが立ちません」(山本さん)

例えば、「時間差で物体が浮き出てきたり、文字が上から降ってくるような感じにしたいんだけど、これってjQueryでできる?」などとメンバーに聞かれても、さっと解法を提示できないといけないのだ。

「ただし、私たちがすぐに答えを出すのではなく、なるべくヒントを与えて、彼女たち自身に考えてもらうという方法を意識しています。答えを発見したとき、彼女たちから『やったー』という笑顔がこぼれる瞬間がある。それを見るのが嬉しいですね。オンライン講座ではなく、フェイス・トゥ・フェイスのスクールだからこそ、味わえる醍醐味です」(福田さん)

第5回の「Code Girls」は、女の子向け写真投稿サービスSnapeeeを運営しているマインドパレット社とコラボし、4月26日にライフイズテックの白銀高輪オフィスで開催予定。iPhoneアプリ開発とWebデザインの2つのコースがあり、すでに募集が始まっている。

Webデザインコースでは、あらかじめ用意されたテンプレートに写真や文字をあしらって形を整えていくことから始める。直感的にまずは作ってみてから、その背後で動くコードやWebの構造について学ぶ仕組みだ。

前回のワークショップには40名の枠に120名の応募

「コードに興味をもってくれる女の子は増えているのに、それに十分応えられないのは悔しい。これからはもっと開催数を増やして、彼女たちのニーズを満たしたい。そのためには私たちの事業に協賛してくれる企業を増やすことも重要。企業には、女性エンジニアの可能性にもっと気づいて欲しいですね。女性向けのITやWebサービスを開発する上でも、彼女たちの感覚やセンスは欠かせないものですから」と、原さんは言う。

「Code Girls」を通してコーディングやWebデザインの面白さに目覚めた女子中高生たちが、これから数年後、コードの世界をどう変えるのか、楽しみだ。

(執筆:広重隆樹 撮影:平山諭)

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