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CodeIQ、サンカク、CODE.SCORE、ATND──リクルートの事業と一体化することで、エンジニアの技術力が進化するグラウンドを作る

2015.08.19 Category:インタビュー Tag: ,

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人材採用・育成分野でサービス力を強化するリクルートキャリア。これまで外部依存率の高かった技術開発を、この1年、急速に内製化し、エンジニアリングのスピードを高めている。

その狙いと、いま求められる技術者像をリクルートキャリア津田智光氏と、CodeIQの出題ディレクターを務める山本有悟氏に聞いた。
by 馬場美由紀 (CodeIQ中の人)

内製エンジニアリング強化を最大の方針に

リクルートキャリアは、「リクナビ」「リクナビNEXT」「リクルートエージェント」など、人材採用系事業や転職斡旋事業を展開する企業だ。そして最近では、業務プロセスやワークスタイルの改革・利便化を図るサービスを続々とリリース。それらの新規事業・サービスを生み出すための仕組み作りも同時に整備している。

例えば、エンジニアの総合的なスキルを可視化する「CODE.SCORE」、コーディングスキルに特化した評価サービス「CodeIQ」、現職を辞めずに成長企業の経営に参画できるサービス「サンカク」などだ。イベント管理サービス「ATND」や競技プログラミング大会「CODE VS」といったサービスも展開している。

こういった新規事業・サービス開発を行う部門では、今後は内製での新規開発のスタートや、外部企業に委託するだけだった開発を、内製の技術者も一緒となって手を動かして開発するようなスタイルの案件が増えてくるという。

つまり「内製技術力の強化」が企業としても重要な課題になっているのだ。現在、チームはサーバーサイドやフロントのWebエンジニア、デザイナーなどで構成されるが、これからはスマホ・ネイティブアプリの開発者も必要になる。

「まだまだ小さな組織ですが、これまで外部やパートナーの技術者に多く依存していた知識・ノウハウを社内でより活用できるようにし、それを次の新しいサービス開発の原動力にしていきたい」と語るのは、チームを率いる津田智光マネジャーだ。

▲株式会社リクルートキャリア ネットビジネス推進室 ビジネスデザイン部 サービスインプリメンツグループ マネジャー 津田 智光氏

サービスをヒットさせることが、技術者の伸びしろを大きくする

津田氏自身、リクルートキャリアに転職してきたのは、2014年12月。社歴はまだ1年足らずだが、前職サイバーエージェントでは8年間にわたる開発やマネジメント経験がある。リクルートキャリアに、ほぼゼロの状態から内製技術者組織を立ち上げるというのが、転職にあたっての津田氏のミッションだった。

「会社自体は大きな組織ですが、開発チームに限ってはスタートアップのようなもの。だからこそ、転職者が活躍できる余地がありすぎる。私自身、新しいことができそうだと思って転職してきました」

サイバーエージェントの前は、フリーターとしてデパ地下で食品を売っていたという変わり種。26歳の時に、サイバーエージェントが未経験者に1カ月の研修を施して、採用するプロジェクトに応募。磨けば光る素材だと判断されたのだろう。

プログラミング未経験者には厳しいIT業界の門戸をこじあけ、そこからは一つひとつステップを積み上げてきた。その過程で一環して自らに課していたのが、「いかに自分の技術力を事業価値に転換できるか」という課題だ。

「優れたコードを書くことはエンジニアにとって喜びですが、それにとどまらず、自分の技術で伸び悩むサービスの課題を解決する、あるいはヒットするサービスを生み出す。事業が拡大すればするだけ、新たな挑戦・課題も増え、またその解決を繰り返すことで、技術力も高まるのだと思います」

技術を事業価値に転換できるエンジニアとはどういう人たちなのか。

「自分自身に壁を作らない。未知の領域、不得手の領域にもどんどん好奇心を持って、進出していける人。Web周りの新技術にはとりあえず触ってみる。開発手法も決まりきったものがあるわけじゃないので、アジャイルでやりたければ、それを提案してチームを引っ張っていく。私たちは小さな組織だからなんでも自分たちでやらなくちゃいけない。たとえビジネス的な課題でも興味を持って一緒に考える。機能をリリースしたらそれがどんな使われ方をして、どんな風にユーザーに受け入れられたのか気になって楽しみにしてしまう。そんなタイプの人がいいですね」

いまは組織作りだけでなく人材採用にも関わり、自分自身がコードを書く機会は少なくなったが、いずれは現場に戻るつもりだと言う。

「現場のエンジニアとマネジャーがたえず入れ替わることができる組織が理想ですね。自分が現場に戻ったときに、技術者として楽しみながら成長できると思える環境を、いまマネジャーとして作り出そうとしています」

CodeIQの新・出題ディレクターの素顔

リクルートキャリアの技術力を支えている一人に、4月から新たにCodeIQチームの出題ディレクターも務める山本有悟氏がいる。

1996年にリクルートコミュニケーションズにエンジニアとして入社。情報誌制作部門の制作システムを開発・運用。広告受注から制作を連動させ、印刷までつなげるシステムを開発していた。

▲株式会社リクルートキャリア ネットビジネス推進室 ビジネスデザイン部 ビジネスプロデュースグループ CodeIQチーム 山本 有悟氏

リクルートにR&D組織、メディアテクノロジーラボ(MTL)ができるとそこに移り、その業務のかたわら「こういうのあったらいいね」と作ったのがイベントの日程調整ができるツール「調整さん」だ。

「KAIZENプラットフォームでCTOをやっている石橋利真氏は、私の後輩。彼と一緒に、昼休みの間にさくっと開発しました。意外と評判が良くてびっくりだったんですが、全然お金儲けにはつながらなかったですね(笑)」

隣の人が欲しがっているもの、自分自身が必要なものを作る。それがエンジニアの出発点だが、ユーザー向けのビジネスもやってみたいと、MTLから分社独立した携帯コンテンツの「ニジボックス」ではCTOを務めた。

「エンジニア採用や育成も私のミッション。金融系SIerで仕事していた人をWebエンジニアに技術転換する指導などを、やっていました。技術の底上げをするために、10分間の勉強会を開いてクイズ形式の問題を毎日出すということもやったんですが、その経験は今のCodeIQにも活きていますね」

ニジボックスを最後にリクルートグループからは一旦離れ、現在は株式会社ルーターというWebアプリ開発会社を共同経営するかたわら、CodeIQの出題ディレクターとしても活躍している。

リクルートキャリアのサイトは、システムというより一つの巨大メディア

CodeIQとの関わりでは、CodeIQサイト自体をユーザー、出題者、採点者、さらに企業とをつなぐコミュニケーションツールとしてとらえ、これをオープンソースのCMS製品(Drupal)を利用して再構築したことも、山本氏の業績の一つだ。

「最初はいろんな技術のツギハギで作っていたんですが、そのままだとコストも高くつくし、ミスも多くなる。ユーザーが増えてくればいずれ破綻しかねない。そこでそれまでのスクラッチで作っていたWebシステムを、ユーザーには意識されないように、あるとき裏側だけごそっとCMSに移行したんです。まあ、こういう仕事ってエンジニアはあんまりやりたくないものだけれど、ユーザーがCodeIQに送ってくるコードって、将来も役立つ技術資産だと思うんですよね。だからそれがうまく活用できるようにするためには、システムの再構築はどこかでやらなくちゃいけない。1~2カ月間、再構築作業に専念しました」

エンジニアとしてのスタートが、膨大なコンテンツを取り扱う仕事。「データが流れていない、箱だけのシステムには興味がない。むしろコンピュータ・システムを一つのメディアとして捉えると、面白いことができる。CodeIQもその一つだと思うんです」と語る。

どんなマイナー言語でもクラウド環境で習得できるトレーニングサービス

CodeIQサイトのこれからの拡張についても、いくつかアイデアがある。

「ブラウザだけで、どんな開発言語も勉強できるトレーニングシステムを開発中です。あまり使われない言語って、自分のPCにわざわざインストールしないじゃないですか。それでも興味あることはつまみ食いしたいというのがエンジニアの本能。トレーニング用の砂場をクラウド環境に構築することで、エンジニアの好奇心をもっと刺激したいんです」

例えば統計データ分析用の言語に「R」がある。データ解析分野なら必須の言語だが、そうでもない人は名前ぐらいしか知らない。

「このトレーニングシステムだったら、すぐ触れます。『R?カジったことがぐらいはありますよ』と、面接で自慢できるし(笑)、新しい言語に触れて、自分の可能性を広げることにつながるかもしれません」

リクルートグループと、つかず離れず約20年のかかわりがある山本氏にとって、リクルートキャリアでエンジニアとして仕事をすることにはどんな意義があると思えるのか。

「優秀な営業チームが日々、お客さんを開拓し、それを自社サービスに連れてきてくれる。エンジニア自らがお客さんを取りにいかなくてもいいというのは利点でしょうね。やってきたお客さんを自分たちの力で満足させれば、それがリピーターになる。もちろん、事業計画どおりにお客さんが来てしまうから、開発側は『まだできていない、ちょっと待って』という言い訳ができない。それが怖ろしいところでもありますけどね(笑)」

事業と開発の一体化。そこで技術品質とスピードが日々試される。エンジニアが成長する環境としては、他にあまり例のないぐらい、いいコンディションのグラウンドが用意されているということだろうか。

(執筆:広重隆樹 撮影:刑部友康)
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