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CTOと海外経験を活かし、リクルートキャリアのコードスキル・サービスと開発環境を整備する

2015.08.28 Category:インタビュー Tag: , , ,

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求人情報だけにとどまらず、最近では業務プロセスやワークスタイルの改革・利便化を図るサービスを続々とリリースしているリクルートキャリア。
その中でも「CODE VS」や「CODE.SCORE」のプロデューサーである橋本将崇氏は、前職での「CTO」を活かし、仕事の領域を広げている。
エンジニアとして事業を牽引するやりがい、醍醐味について話を聞いた。
by 馬場美由紀 (CodeIQ中の人)

人生をゲーム感覚で捉えると、スコアが気になる

「人の人生を一種のゲーム感覚で捉えると面白いと思うんです。厳しい試練を乗り越えたらポイントが上がり、そこから逃げたらポイントを失うみたいな。ただ、今の世の中ってどこでスコアを加点し、減点するかっていうルールが少なすぎる。偏差値高い大学がいいとか、企業も大きなほうが小さな企業よりいいとかいうだけ。それだけじゃないスコアもあるはずなんです」
と語るのは、リクルートキャリアの橋本将崇氏だ。

職業人生も一種のロールプレイングゲーム。キャリアの過程で何をどうしたらポイントが積み上がるか。

「僕はエンジニアなので、それ以外の職業のキャリアパスがよくわからない。でも、エンジニアだったら、どういう経験や訓練をしたらポイントが上がるかは見える。エンジニアスキルを可視化するサービスがあったら面白いだろうし、それは可能だと思ったんです」

いまプロダクトCTOとして関わる「CODE VS(コード・バーサス)」や「CODE.SCORE」のサービスをプロデュースしたのはそういう理由からだった。

「CODE VS」は、アルゴリズム活用力とコーディング技術を競い合う、エンタテインメント性の強いプログラミングコンテスト。一方、「CODE.SCORE」は、企業のエンジニア採用・配置・育成・評価をサポートするためのエンジニアの「実務力」可視化サービスだ。

いずれもエンジニアに問題を解いてもらい、スキルを可視化して自身のキャリアアップにつなげる。それぞれ、2014年6月にリクルートキャリアに転職してから橋本氏が携わったプロダクトで、今も開発を続けている。

株式会社リクルートキャリア ネットビジネス推進室 ビジネスデザイン部 橋本将崇氏
1989年生まれ。中央大学理工学部時代からフリーランスのエンジニアとしてWeb開発に関わる。前職のベンチャーではさまざまなサービスを開発し、CTOを務める。2014年6月リクルートキャリアに転職。

エンジニアの力を最大限引き出すために、組織はどうあるべきか

プロダクトは社内の少数人数チームで開発が進む。外部へのアウトソーシングは現状ではしていない。チーム構成メンバーがそれぞれ技術的に熟達していることが必要だが、メンバーの力を最大限に引き出すのは組織に課せられた役割だ。

「プロデューサーやマネージャーが上にいて、各役割ごとでKPIを決めてプロダクトを作っていくのが従来のリクルートキャリアの組織だと思うんです。ただ、役割分担するのはいいんですが、ときおり、エンジニアたちが自分の決められたKPIにばかり目が行ってしまい、全体としてどうなのか、そのプロダクトがビジネスとして価値を上げているのかどうか、見失ってしまうこともあると思うんですよね。そもそも『そのKPIってプロダクトの成長につながらないよね?』ということは、しばしば出てくると思います」

いわば部分最適が全体最適につながらないという組織の問題。「よくある話」ではある。この落とし穴にはまらないためにはどうしたらいいか。プロデューサーあるいはマネージャーと、メンバー間のコミュニケーションをより密にすることは当然だ。

もう一つの解として考えられるのは、橋本氏のようにエンジニア出身のプロダクトマネージャーを立て、それが技術開発とビジネス展開の双方にわたって責任を持つことだ。

「会社組織でいうCTOの役割を果たす人を、プロダクトマネジャーとして個々のプロダクトやサービスレベルごとに配置するという考え方です。私たちのチームではその方向をいま目指しているところです」と、橋本氏。

「縦割りのミッションに縛られていたエンジニアを、よりプロダクト全体にコミットするように仕向ける役割」があるという。

どのような組織であれば、部分最適の穴に落ちずに、全体最適を貫けるのか、これからも橋本氏の試行錯誤は続く。

何もないのだったら、何でもできそう

リクルートキャリアの事業領域に関わる技術開発は外部協力会社が中心になって担っていたが、その一部を内製化する動きが最近強まっている。

橋本氏の採用もその一環。橋本氏はリクルートキャリアが、自前で採用した初めての正社員エンジニアである。きっかけは、リクルートが2013年11月に開催したハッカソン「ReHack」。

「リクルートが公開するAPIが面白そうだと思って参加したんです。会場にはリクルートのエンジニアのメンターがいるかと思っていたら、そうでもなかった。エンジニアとして業務に携わっている人は、まだほとんどいないとのこと。リクルートキャリアでは、新サービスを開発する組織が立ち上がるが、まだ何もない状態だとも聞きました。でもむしろ、そこがいいなと思ったんです。何にもないのだったら、何でもできそう」

その時点では、まだ前職のCTOという立場。ここでのエンジニア組織作りの経験があったからこそ、新天地でさらにその経験を深めたい、という想いが募った。

学生時代からフリーランスとしてWebサービスの受託開発の仕事をしていた橋本氏。新卒でWebサービス事業部に入ると、複数のサービスに関わり、サーバーサイドからソーシャルゲームのアプリ開発まで幅広く技術を磨いた。中でも関心が強かったのが、エンジニアの開発環境作りだった。

「個々のプロダクトを開発するというより、ソースコードを管理したり、開発環境を整えて共通基盤として社内に提供するというような仕事が面白かったんですね。プロセス志向型と言ったらいいのかな。そういう部門を立ち上げて、独自に採用にも関わっていました。ついでに、ベトナムでのオフショア開発も担当し、一時期よく日本とベトナムを行き来していました」

個々のプロダクトに閉じることなく、横断的な視点で会社の開発力アップや技術資産の蓄積を考えることができる。技術とビジネスの両方の視点をもって、エンジニアの活動領域を広げることができる──この2つのCTO的なスキルは前職時代に身に付けたものだ。

「ソーシャルゲームは、開発したとたんにビジネスの先が見えてしまう。途中でイベントを仕掛けて、盛り上げたりしても、そのアップダウンの繰り返しで、エンジニアはいつか疲弊してしまう。こういう状況下で、プロダクト志向ではなく、プロセス志向のエンジニア組織を維持することが難しくなってしまったんです」

その前に、自分のエンジニアとしてのスキルが客観的に見てどんなレベルなのか知りたいと思い、参加したのが、先述のハッカソンだったのである。

CTOとしてやり残した課題。エンジニアの開発環境を整備する

CTOとしてやり残した課題を、新しい会社で試してみる。幸い、そこには古いしがらみが少なく、やりたい人が手を挙げて、責任を背負い、失敗してもまた再挑戦ができる風土がある。

入社後1年とちょっとだが、橋本氏はリクルートキャリアの内製技術基盤をゼロから立ち上げるというミッションに燃えている。前職時代から関心のあった、エンジニアの開発環境を整えることもその一つだ。

「リクルートにはオンプレミスで構築した社外サービス向けの統合ネットワークインフラがあるんですが、セキュリティがしっかりしている反面、サービス開発者には使いづらい面もあります。どうやったら新しいサービスを提供していけるか、それを考えたい。それと、これまでリクルートキャリアは外部企業や業務委託エンジニアに開発を委ねることが多かったので、プロダクトごとに開発言語やソースコードの管理がバラバラなんです。これもできるだけ統合したほうがいいと思います」

レガシーを再構築し、より多くのサービスをスピーディーに展開できるかどうかは、これから採用するエンジニアの腕にかかっている。

「だから、エンジニア採用にも積極的に口を出すようにしています。かなり優秀な技術者が集まって来ていますよ。ソーシャルゲームの大手企業や外資系金融会社など、前職企業もきらびやかです。たしかな技術力はもちろんですが、サービス開発を下請け的に請け負うのではなく、より主体的に関わりたいという志向性の人が多いですね。個人的には、自ら新しい技術にチャレンジしていて、こんなサービスを作ってみたいと思ったときにすぐ実装に行動を起こせるかが、重要な判断材料になります」

(執筆:広重隆樹 撮影:平山諭)
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