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まつもとゆきひろ氏がSpeeeで語った、勉強会・英語・プログラミングの話

2016.04.27 Category:勉強会・イベント Tag: , , , ,

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10社を超えるIT企業の理事やフェロー・技術顧問を務める、まつもとゆきひろ氏。
2015年8月から技術顧問に就任したSpeeeが開催する勉強会では、一緒にコードの短さを競うコードゴルフやゲームを楽しむなどの交流も積極的に行っているという。
3月に開催された勉強会の様子とまつもと氏が語った講演内容を紹介する。
by 馬場美由紀 (CodeIQ中の人)

まつもとゆきひろ氏とコードを競うコードゴルフ大会

今回訪問したSpeeeの社内勉強会が開催されたのは、同社のカフェスペース「SpeeeLounge」。とても素敵なカフェだ。

そこでは、エンジニアたちが真剣にコードを書いていた。

今回の勉強会で行われたのは、与えられたお題に対して、誰がもっとも短いソースコードで書くことができるかを競う「コードゴルフ」。

コードを書いているエンジニアの中に、まつもとゆきひろ氏を発見!!

コードを見ながら参加者同士で議論したり、

まつもと氏が自分のコードを解説したりしていた。

「コードゴルフ」上位2名には、O’Reillyグッズがプレゼントされた。まつもと氏は2位をゲット!

ちなみに、まつもと氏のコードはこちら。さすが短い!

まつもと氏が語る、勉強会はアウトプットが重要

コードゴルフが盛り上がったあとは、お待ちかねのまつもと氏による講演が始まった。今回のテーマは「勉強」に関するあれこれ。まず語られたのは、「勉強会」について。

現在は空前の勉強会ブームだ。毎日のようにあちこちで開催されている。

Rubyのようにすでに確立された技術を掘り下げることもあれば、React.jsやAngularJSのような新しいフレームワークがどんどん出てくるJavaScriptなどを学ぶ勉強会もある。そのなかで「私たちは勉強会と、どう付き合っていけばよいのか?」とまつもと氏は問いかける。

「私がRubyを作った頃は、オープンソースも勉強会もなかったし、組織を超えた勉強会もなかった。そもそも勉強会という文化自体がなかった。ここ10年以内のトレンドだと思う。ネット上で話すよりもリアルなインプットが必要だという人もいるが、情報・知識という観点では変わらない。30分の講演を聞くには30分の時間を要するが、本などで概略を調べれば10分くらいで知ることができる」

まつもと氏は、勉強会で学ぶのは実は効率が悪いと指摘し、「勉強会はアウトプットや交流をするために行くべきだ」と言う。

「勉強会では発表する側、つまり教える人が一番学ぶことができる。同じくらいの知識とスキルを持つ技術者でも、講義をする人のほうが勉強することになる。そして、勉強会はアウトプットする場であるが、交流して意見交換する場でもある。
参加する側は疑問に思ったことを聞いて、積極的に答えを引き出せる。講演では語られなかったことも聞けるし、一緒に考えることもできる。勉強会は聞くだけよりも、発表することや意見交流することでかなりのプライオリティを上げられるはず」

英語は心理的障壁をなくせ

続いてのテーマは「英語」の勉強。日本人が英語を苦手な理由や、克服法について語られた。

「日本人は中学生から学ぶ割には英語を話せる人は少ない。だがITの領域で一番役に立つのは、実は英語である。コンピュータに必要なのは数学やコンピュータサイエンスだと言われるけど、学校でそれほど学んだことは少ない。それより新しいテクノロジーが出たときに、英語を読めるだけでも早く理解することが可能だ。英語ほど役に立つものはない。誰でも高校で習った文法がわかれば、英語は読むことができる」

まつもと氏は海外で講演したり、英語の問い合わせに対しても自らが対応しているとのこと。要は「慣れ」だという。

「シリコンバレーにはさまざまな国のエンジニアが集まるが、そこで交わされる英語は文法も発音もめちゃくちゃ。でも彼らは自分の英語が通じないと、『なぜ私の言うことがわからないんだ』と怒る。逆に日本人は、『私の英語が下手ですみません…』と謝る。これは外国人たちを見習って、自分の言うことを恐れず堂々と伝えたほうがいい」と言う。

さらに「英語に対するコンプレックス、この心理的な壁を超えれば上手くなる。コツとしては一つ受け答えの型を作っておいて、最初はそれを繰り返すこと。次はもっと足していけばいい」とアドバイスする。

ちなみにまつもと氏が英語の勉強で活用しているのは、ファーストネットと英語のPodcastで10分くらいのニュースを聞くことなのだそう。

プログラミングは読むことと、生産性を上げて書くことが大事

3つ目のテーマは「プログラミング」。プログラミングスキルには、読めるかどうかと、書けるかどうかの2つがある。「皆さん、ほかの人のコードが読めますか?」と投げかけるまつもと氏。

「自分以外の人が書いたコードが読めないと前に進めないし、バグがわからないと直せない。推奨するわけじゃないけど、他人のコードをコピペする場合も、どこをコピペしていいか理解できないとできない。プログラマでもそれができる人とそうでない人がいる。

自身の体験で言うと、コードを積極的に読む人がいいプログラマになる。オープンソースは著作権がうんぬんと言われることもないので、どんどん読んでみることをおすすめする。優秀なプログラマはソースコードを読める人。頭から読む必要はないし、問題があるところだけを読むことができるのだから」とまつもと氏は言う。

一方、「コードを書く」ほうは、読めたら書けるということでもない。まずはどれだけ書くかが重要で、どのように書けばいいかがわかるのは経験によるのだという。

とはいえ、仮に1万時間コードを書いても、うまくいかなかったらすごくもったいない。技術の進化は早いので、今の技術もあっという間に風化してしまうからだ。

「だから、1万時間じゃなくて、まずは100時間やってみるといい。学習曲線で例えると、最初は知らないことが多いから急カーブで上昇する。でもだんだんと細かいところになるから、興味が持てないと続けられられない。だいたい1カ月くらいでだいたい見切りがつく。ただし、密度と効率を考える必要がある。同じ100時間やるにしても、ずっと同じ効率でやることはできないから、15分やって休憩して、また15分やる。長引くと飽きる。一番密度の高い時間を使って、どうプログラミングできるかが大事」とまつもと氏は語った。

英語で伝えたから、世界のRubyとして広がった

まつもと氏の講演は30分ぴったりで終了。その後、参加者からは質問が寄せられた。

Q.海外のカンファレンスで英語を話すということでRubyが広がることにつながったのか?

まつもと:自分は留学などをしていたわけではなかったが、英語が嫌いじゃなかった。上達したのは、Rubyのドキュメントを英語に直したことが大きかったと思う。ソフトウェアのコードを読むときに、ドキュメントとコメントが読めないと大変。

日本語でドキュメントを書いたら、海外の人に同じ思いをさせてしまう。そこで英語に直したら当時の検索エンジンに引っかかって広がってきた。メールが来るようになったし、世界にRubyが広がるきっかけになったと思う。

Q.海外から日本の製品、サービスはどう思われている?

まつもと:認知度は低いかもしれないが、日本のエンジニアは海外と比べて決して劣っていない。英語で活動していない人は存在がないも同じなのでもったいないと思っている。

講演が終わると懇親会が始まった。コードゴルフにちなんで、ゴルフのゲームをみんなで楽しんだり、ここでしか聞けないまつもと氏との情報交換を満喫して場はお開き。

うらやましすぎるSpeeeのカフェスペースを探検

休憩時間には、Speee人事の渡邊優太氏にカフェスペースを案内してもらった。

「SpeeeLounge」は、知の共有を目的とし、社員のワークスペースとしての利用はもちろんのこと、エンジニア勉強会やスプラトゥーン企業対抗戦、通称「Splathon」など、様々なイベントに活用されている。休日はコーヒーと朝食が無料で食べれるもくもく会も実施しているとのこと。

「Speee Library」では、ビジネス書から技術書まで約3000冊の書籍を読むことができる。

▲株式会社Speee 経営管理部 人事 渡邊優太氏

読んだ本はレビューを書くシステムが作られていて、社員が読んだ本を共有されている。誰がどんな本を読んでいて、どんな感想を持ったのかも知ることができるので、参考にしている人も多いそうだ。

カフェの隣にはカーテン付きの集中スペースがあり、仕事ももちろんできるのだが、仮眠や休憩に使うこともできるのだとか。うらやましい…。

マッサージ用のスペースもあり、プロのマッサージ師が週に何度か来てくれる。もちろん無料とのこと。

カフェカウンターにはさまざまなコーヒー豆があり、好きな種類を選ぶことができる。18時までに来るとかわいいお姉さんがいるらしい。

コーヒーのバリスタやエスプレッソマシーンも本格的。一杯ごちそうになりましたが、美味しかった!

普段もエンジニアがここでコードを書いていることが多いと聞き、「はしれ!コード学園Rubyちゃん問題のチラシをそっと置いてもらった。

Speeeでは勉強会等のイベントの会場貸出を無料で行っているとのこと。Speeeで勉強会を開催してみたいというエンジニアの方、問い合わせ先はコチラとのこと!

まつもとさん、Speeeの皆さん、ありがとうございました。

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