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グッドデザインには何が必要か?グッドデザイン賞受賞作品の開発プロセスに見るUX設計のポイント

2017.01.06 Category:勉強会・イベント Tag: , ,

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形のあるモノにせよサービスにせよ、「ユーザーにどんな体験を提供できるか」が重要になっている今、プロダクトに機能があればよかった時代とは異なる開発プロセスが必要なのではないか?
2016年のグッドデザイン賞を受賞したプロダクトの開発秘話から探ります!
by 大内 孝子

全員がUXデザイナーになる:AbemaTV立ち上げの舞台裏

リクルートホールディングスが開催した、グッドデザイン賞2016を受賞した4つのサービスをテーマにしたトークイベント「UX & Service Sketch グッドデザイン賞特集」イベント。

最初の登壇者はインターネットテレビ局「AbemaTV」の鬼石広海氏。2012年からサイバーエージェントにてSNSサービスの立ち上げやリニューアルに、UIデザイナー、サービスのクオリティを担保するクリエイティブディレクターという立場で携わってきた。

2015年4月に株式会社AbemaTVに出向し、立ち上げから関わっている。

AbemaTV クリエイティブ・ディレクター/デザイナー 鬼石広海氏

すでにアプリのダウンロード数は1000万DLを突破。目標は「WAU1000万」、つまりウィークリーのアクティブユーザーが1000万人いる状態、マスメディアと呼ばれる影響力を持つサービスを作ることを狙って開発を進めているという。

AbemaTVはサイバーエージェントとテレビ朝日の共同で運用する、主にスマホ向けのストリーミングサービスで、無料でニュース、音楽、スポーツ、バラエティなど約30チャンネルを楽しめる

鬼石氏は開発のポイントとして次の2つを上げる。

  1. 開発者全員がUXデザイナーになる
  2. 経営者がプロダクトにフルコミットする

まず、大前提として、AbemaTVはインターネットのテレビ局という位置づけで、オンデマンドではなく、あえてストリーミング配信だ。オンデマンドの場合、サービスにログインし、見たい番組を探して見るという自発的な行為となるが、「何となくザッピングしながら見たい番組を探す」という地上波のテレビの体験をインターネット上に実現したかったから。

とはいえ、開発する上では動画配信サービスとして先行する他のサービスを事例にできないゼロベースでの開発となる。一方、追い風になるポイントは、サービス自体がシンプルであるということ。

「地上波のテレビの体験」は非常にシンプル。電源を入れたらすぐに番組を視聴できる。いまのリモコン自体はいろいろなボタンが多くて複雑なUIをしているが、基本的に使うのはチャンネル切替やボリュームだ。小さいスマートフォンでも実現しやすい。

「ゼロベースで作らなければいけないというところと機能がシンプルであることを踏まえると、卓上でブレストをするというよりは、プロトタイプで実際にものを作ってそれをベースにしてブレストしたほうがいい。当時、開発メンバーは5人。職種はそれぞれ違うけれど、それぞれが使えるツールで自身がいいと思うプロトタイプを作ろうということで進めました。

デザイナーならAdobe After EffectsやFlash、エンジニアならXcode、ツールは何でも、目的としてはそれぞれが自分が本当に使いたいと思える最高のテレビアプリを作ってこようと、それをベースにして議論しようということを決めました」(鬼石氏)

プロトタイプの総数は合計で250。ここで共通して考えていたことは、「地上波のテレビと同じように起動したら即視聴できる、会員登録はなしにしてコンテンツまでを最短にする」こと。

そこで問題になってくるのは複数デバイス間の情報の共有だが、これはワンタイムパスワードを使うことで解決した。会員登録をなしにしたいというところから始まって、エンジニアからの案で目的を実現するための方法を考えていったという流れだ。

さらにこだわったポイントが2つある。1つは両隣のチャンネルの先読み、AbemaTVでは起動時に流れている番組の両サイドの番組を先読みしている。スワイプでチャンネルをザッピングするのだが、先読みしているためサクサクと自分が見たいものを探せるということでストレスがなく視聴もできる。

もう1つは、自分が操作している指の動きや位置に対してアプリ側は従順な動きを返すということ。スワイプ位置と音量、スケール、明度の同期、これらのステータスを細かく指の位置に応じて変えている。自分の動きに対して反応があることで帰属感が生まれ、心地よいインタラクションが実現できる。

こうした課題を開発メンバー全員がプロトタイプを作って、自分でUI/UXを考えて、全員が目的に向かって解決方法を考えることで解決していった。

これは「地上波のテレビの体験」という、大抵の人が自分の行動として経験のあることだったからこそ、なのかもしれないが、全員がUXデザイナーになることがさまざまなアプローチで使い勝手を向上することにつながったといえる。

「夕会」として夕方に進捗を共有し合う。おのおのが作ってきたプロトタイプを共有し合って、それをベースに議論をしてブラッシュアップしていくというのを繰り返していった

こうした大きなプロジェクトでは、「経営者がプロダクトにフルコミットする」ことも外せない成功ポイントの1つだ。

「なぜプロトタイプを250個も作ったのかというと、これは藤田社長が徹底的に妥協を許さなかったということが一番の理由。今回のAbemaTVについては藤田社長が人生をかけたプロジェクトだということで開発、プロダクトの部分はかなり時間をかけてコミットしていました。週一で藤田社長と開発者が実際にコミュニケーションをして、進捗共有をして、直接議論を繰り返すということをしていました」(鬼石氏)

藤田社長の姿勢は徹底して「ユーザー視点」。開発者がプレゼンテーションをしてそれに対しどうこうというのではなく、ユーザーの視点でこれが最高の品質であるかどうかをジャッジするというもの。これは、「ユーザーは実際にそのサービスを使って見て触って、価値を感じなかったら、もう次は起動してくれないというシビアな世界。それを藤田社長に説得したところで何の意味もない」ということから。

週一で藤田社長と開発者が実際に進捗共有をして、直接議論を繰り返した

藤田社長が開発メンバの一員になるということで、細かい仕様やデザインも直接やり取りをしてどんどん決済をもらい、スピーディに開発を進めていくことができた。また、AbemaTVは非常にたくさんの人が関わっている大きなプロジェクトだったので、さまざまな関係者からいろいろな要望が来る。

それらを全て受け入れてしまうと、結果的に機能が増え、どんどん複雑になってしまう。藤田社長がユーザー目線で必要のないと判断したものは徹底的に排除することで、シンプルさを保つことができたという。

「これがいい」ではなく「これでいい」:無印良品5つのデザインプロセス

今から36年前の1980年、消費社会のアンチテーゼというところから始まった無印良品。当初は西友のプライベートブランドとして40品目でスタートし、いまや7000アイテム、雑貨や家具、リノベーション物件と、暮らしにまつわるものから暮らしそのものを扱うようになっている。

そして、いまグッドデザイン賞の常連といえる無印良品(良品計画)からは、生活雑貨部 企画デザイン室長の矢野直子氏が登場した。

良品計画 生活雑貨部 企画デザイン室長の矢野直子氏

無印良品というとシンプル、ナチュラルなデザインというイメージだが、「最良の生活者としての視点」をもとに創業者の堤清二氏とグラフィックデザイナー田中一光氏が作り上げたコンセプトを製品化する上で「素材の選択、工程の見直し、包装の簡略化、ワケあって安いものを提供していこうとした結果、すごくシンプルになってしまったということ」と矢野氏は言う。

無印良品「デザインで感じよいくらし 感じ良い社会へ」

「無印良品は36年間コンセプトが変わらず、よく大きくなっていますねといわれるんですが、無印良品の場合はアドバイザリーボードの存在が大きいです。これは創業当初からですが、クリエイターの方たちからなるアドバイザリーボードというのがあります。ご意見番のクリエイターがいて、その中で田中一光さんは真ん中でアートディレクターとして存在してくれたというのが大きいです」(矢野氏)

田中一光氏が他界されてからも変わらず、月に一回、朝8時からアドバイザリーボードとのミーティングが行われている。無印良品はこれからこんなことをやっていきたい、それに対し、それはいいね、やるなという話をするのだという。最後の関所的な存在がアドバイザリーボードなのだ。

そして、よく知られている「『これがいい』ではなく『これでいい』」。これは、現会長が矢野氏が20代のときふっと言った言葉だ。たとえばフカフカの美しい赤いソファを買いたいと思ったとき、お金を貯めてそれを手に入れたとする。それでお金がなくなったとき、あとは無印でいいやといってもらいたい。

決してネガティブなことではなく、「真っ赤なソファは無印にはないけれど、それを美しく見せるためにあとは無印のボックスを使って不要なものを整頓してもらえれば赤いソファは美しく赤いままでいる。そういうことが、『これがいい』ではなく『これでいい』だったんじゃないかなというふうに思う」(矢野氏)

そんな矢野氏が語った「これでいいの手法」は次の5つ。

  1. ワールドデザイナーとのものづくり
  2. グローバル、ローカル、ユニバーサルに各地の文化から発見する(Found MUJI)
  3. 素材の探究と生産者への配慮
  4. 生活者との交流
  5. オブザーベーション(観察)

最初のポイントだが、無印良品にはそのコンセプトに共感するデザイナーが世界中にいる。誰がデザインしたのか店頭で明記されることがないが、世界で活躍するプロダクトデザイナーと内部のメンバーがやり取りをしながらものづくりを行っている。

「しるしをつけられる傘」はコンスタンティン・グルチッチ氏が来日したとき雨の日のコンビニで大量のビニール傘を見て、「日本人はこれを識別できるの?」「いや、できないかも」という会話から

2、3、5はいずれも、日本だけではなくさまざまな土地の伝統文化、風土、食文化という暮らしを見つめることからのものづくりだ。

暮らしの中で使われている日用品を探して、そのまま売ることもあれば、リデザインして新しいプロダクトに置き換えたり(「Found MUJI」)、カンボジアで出る端材やココナッツの皮、あるいはバラのアロマオイルの抽出時に出てしまう枝、こういうものを煮出すことでタオルを美しい色に染める。プロダクトの製造工程で出てしまうムダになったものから新しいものを生み出すという試み。

端材やココナッツの皮などから煮出してもので天然染めするということを研究し、商品化につなげている

また、深澤直人氏から伝授された「ザ・お宅訪問」。これは2003年から続けている。近しい人、家族や仲の良い人に暮らしをそのままを見せてもらう。引き出しを開けて写真を取らせてもらったり、その場でスケッチしたり。それにより、無作為の作為を見つける、無意識にやってしまう行為を発見して、商品化につなげていくのだ。


暮らしの中の行動からプロダクトを見つけていく

そして、ウェブ「くらしの良品研究所」を介した生活者との交流だ。さらに「IDEA PARK」という、生活者が直接商品への意見を書き込める場を作っている。再販や改良、さらに生活者とのやり取りから生まれた商品に「体にフィットするソファ」(「人をダメにする」ソファとSNSで話題になったもの)、「持ち運びできるあかり」がある。

現在、デザイナーが製作したプロトタイプをアップし商品化を希望するものを投票してもらうということも始めているという。

「これ無印っぽいね、というそれぞれの無地が意外と違っている。メンバーもそうだし、みなさんもそうだと思う。アメーバ的にいろいろなことをやりながら、でも、原点に強いコンセプトがあるので、ちょっとやりすぎちゃったなってときに戻ればいいという安心感がある。そして、それに対してのチャレンジ、それがこれからの無印良品の方向なんじゃないかと思います」と矢野氏。

自分がほしいものを作る、必要とする人と一緒に作る

WOWの森田考陽氏からは、自分が走った記録、スピードや心拍、距離といった情報を保存してビジュアライズできる「RunGraph」の開発プロセスが紹介された。

共同運営するフロンテッジの船越氏はマラソンやトレールラン、森田氏自身自転車が趣味ということで、こうしたスポーツイベントのグッズをもっとカッコよくしたいという始まった。

WOW inc. インターフェイスデザイナー 森田考陽氏

着目したのは、トレーニングの質を向上するために取っている走った記録、スピードや心拍、距離といった情報だ。「走り終わってから自分の記録を見返してみると、ただの数字の羅列の中にそのときの体験、感情が鮮明に蘇ってくる」(森田氏)という。

たとえば、下の写真で赤のライン(心拍数)が徐々に上がって急にガクッと落ちているのは、たまたま前を走っている人が自分よりもちょっと速い人で無理をして必死についていこうとしたところ、半分を過ぎた当たりで完全に置き去りにされてしまった結果心が折れてペースが落ちて、そこで心拍数も落ちているという。

データからそのときの物語が見えてくる

このように、自分にとって価値のあるデータというのはそのときの体験・感情といったストーリーが存在している。イベント中の「誰かに伝えたくなるような体験がデザインされた」グッズであれば、参加者のモチベーションになる、欲しいものになるのではないかと考えた森田氏は、実際に走ったデータを元にビジュアライゼーションするアイデアをスポーツイベントを運営している会社やメインスポンサーをしている企業にプレゼンした。しかし、実績もないサービスをなかなか導入してくれない。そこで、実際にやって見せるしかないと自前のアプリでリリースしたのがRunGraphなのだ。

走行ログデータを独自のインフォグラフィックに可視化するiOSアプリ「RunGraph」。WOWとフロンテッジによる共同開発

ビジネスモデルとしては、アプリ自体は無料で、データからTシャツを実際に作って買ってもらうことで、その売上の一部が入る形。まだまだ収益は出ていないが、全日本大学駅伝で2年連続で採用されるなど、実際にスポーツイベントで採用され始めているという。

「真剣に自分のほしいものを作っていくというのは、妥協ができなくて大変。でも、自分にとって作りたいものを作るというのはすごく楽しいですし、最終的にすごく魅力的な作品に仕上がることが多くて充実感がある。

もともと私の所属するWOWはクライアントワーク以外に自主製作も大事にしていて、たまたま自主製作を見た人から声がかかったり、関係のなかった業界からオファがあったり、仕事のスケールが大きくなったりするのを何度も体験してきた。欲しいものがないとき、自分ならこうすると思うものを作ってみるとよい。何かを始めるとそれがきっかけで新しい世界が広がるという体験がある」(森田氏)

一方、自分は当事者ではないが、実際にユーザーとなる人と一緒に新しいプロダクトを作っているのが富士通の本多達也氏だ。髪で音を感じる新しいインタフェース「Ontena」を、世界中のろう者へ届けたいと開発を進めている。

富士通 UIデザイナー 本多達也氏

大学1年のときにろう者の方と出会ったことがきっかけで手話の勉強をしたり、手話通訳のボランティア、手話サークルを立ち上げたり、とさまざまな活動をしてきた本多氏は、大学時代にArduinoでOntenaのプロトタイプを製作する。これは、30dBから90dBの音圧、音の大きさを256段階の光と振動の強さにリアルタイムに変換することで音の特徴を伝えるもの。

たとえば、セミの鳴き声、ろう学校ではミンミンと鳴くとしか教えてもらわないが、それがどういうリズムなのか、パターンなのかわかる。遠ざかる車、近づいてくる車、音からそれがわかる。

髪に付けているのが髪で音を感じる「Ontena」

ろう者の方と一緒に、プロトタイプを作って使ってもらうというのを繰り返してきたという。最初はバイブレータを直接肌につけるタイプ。しかし「肌につけるのは気持ち悪い」「蒸れる」「麻痺する」と言われてしまう。といって服だとわかりにくい。いろいろな部位を試して、たまたま髪に付けてみたら、髪の毛は非常にセンシティブで振動を知覚しやすいことからOntenaをデザインした。

風が吹くと髪がなびいて方向がわかったりする。ただ生えているだけじゃなくて新しいインタフェースとして使えるんじゃないかというのが発想の原点。

▲さまざまなプロトタイプを試した

こうして作成したOntenaを使ってもらい、その様子を動画で公開したところアメリカの大手のメディアに取り上げられて世界中のろう者の方から「欲しい」と反応があったという。すでに某大手メーカーに就職しデザイナーとして仕事を始めていた本多氏だが、夢を後押ししてくれる企業が現れたことで一念発起。現在、富士通で開発・商品化を進めている。

「デザイナーやエンジニア、ろう者の方にもプロジェクトに入っていただいて進めています。今、何をしているかというと、ユーザー調査で、全国のろう学校、団体に配布してどういうところで使いたいか、形はどうか、振動はどうかというヒアリングを行っています。それをプロダクトに落とし込んでいるという状態。運転中に近づいてくる救急車の音に気づかないことがあるので運転中に使いたい、とか、僕らでは想像付かないことがある。本当に彼らに使ってもらえるものを作りたいと思って進めています。」(本多氏)

「グッドデザイン=良いUX」なのか?

最後に、「グッドデザインとは?」「グッドデザインの共通点はあるのか?」としてディスカッションが行われた。モデレーターはリクルートMITの松川進氏。

本多:グッドデザインとは何かと、すごく考えたんですが、一番は誰か一人でも、たくさんではなくてもいいから笑顔にすることができる、これってすごくいいじゃんって言ってもらえる、そういったものを作り出せるものがグッドデザインじゃないかって考えました。

松川:もうOntenaでやられている感じですよね。

本多:でも、その誰かが自分でもいいのかなって森田さんの話を聞いて思いました。

森田:自分にとっていいデザインというのは、使いやすい、わかりやすいというのが重要視されていて、それも重要なんですが、それ以上に使いたい、自分の成長を促してくれるとかいうアプリやサービスを提供できるのがいいデザインじゃないかなと思っています。

自分が趣味でやっている自転車だと、速い自転車ってありますが、速い自転車を作るよりも乗りたい自転車、乗って練習したくなる自転車をデザインしてあげるのがいいデザインではないかと思います。

矢野:いいデザインってすごく難しくて、さっきも話したように無印ってデザインをやりすぎてもダメ。実は去年一番評価をいただいたのが成田のLCCの第3ターミナルの空間に家具をデザインした「空港の家具」。今年は890円のバケツ。今回、バケツが評価されたのはディティールの部分だと思います。

デザイナーとMDがチームを組んでオブサベーションをしたんですが、いろいろなバケツの使い方があって、学校のズックを洗うのに間口が狭い、深すぎると蛇口に引っかかって水を入れることができない、子供のおもちゃを入れる人がいるからフタは欲しい、お水をいっぱい入れると手が痛いから取っ手は重み耐えられるように手厚くデザインするとか、けっこういろいろな事例を出して、そういうところを細かくやっています。

鬼石:僕が考えるグッドデザインは、やはりふつうの生活の中で困っているところをいかにアイデアで課題を解決していくかということかなと。AbemaTVはもともとどうして生まれたかというと、オンデマンドサービスがすごくたくさんあるんですが、オンデマンドサービスは自分で見たいものを探さないといけない。

それって意外にストレス。自分で探すよりも受け身のほうがすっと入ってくる。逆に、受け身にするサービスを作ってみたらどうなんだろうという、日常のちょっとした不便、ストレスを解決すること。

松川:みなさんから共通で日常とか生活というのが出てきたところがおもしろいですね。グッドデザインの共通点として、今日みなさんが感じたことがあれば教えてください。

鬼石:自分自身がそのサービスを使いたいかどうか。それがあるとそこに情熱を持って取り組める。それって凄く大きいのかなと思いました。

矢野:無印でも、自分にマーケティングしろというのはよくいわれるんです。最近は言われなくなりましたが、サンプル検討会などで「お前本当にコレがほしいのか、このソファに座りたいのか」と。ユーザーにマーケティングすることもすごく大事だけど、結局は本当に自分が納得できるか、欲しいのか。それが大事なのではないかと思います。

森田:やっぱり仕事としてやらされているという感情で作ったものと自分から主体的に作りたいと思って作るものはやはり持っているパワーが違ったり、その人の成長具合が変わってくる。自分の仕事の中でこれをやり続けたいという何かを見つけてそれができるときっといいものが作れていくんじゃないかなと思います。

本多:自分がいまやっているプロダクトは自分がどんなに考えてもわからないというところがあって、ユーザーと一緒につくっていかなきゃいけないというのがある。だからといって全部取り入れるのではなく、その中から本当にいいものは何かというのを考えるのが僕らデザイナーの仕事だと思っています。彼らと一緒に、自分がかっこいいと思えるものを作っていきたいですね。

また、グッドデザイン賞の大賞が今回地図(世界地図図法)というのが衝撃だった。体験みたいな、視点みたいなものが重視され、デザインの意味がどんどん広がってきているというのを感じます。プロダクトにしてもただカッコいいではなく、いろいろ考え抜かれ、体験もデザインしたものというのが共通点としてあるのかなと思いました。

松川:ありがとうございました。

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