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非エンジニアがハッカソンに出るモチベーション、チームビルディングについて考えてみた

2017.03.23 Category:勉強会・イベント Tag:

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皆さんはハッカソンにどのようなモチベーションで参加していますか?
先日参加したあるハッカソンイベントをもとに、モチベーションやチームビルディングについて考えてみました。
by 新井 秀美

なぜ、ハッカソンに参加するのか

私の本業はクリエーターのためのポートフォリオ作成サイトCOLET(コレット)を開発しているちょっと変わった事業相談が大好きな行政書士です。

ハッカソンに出るモチベーションやチームビルディングが、エンジニア以外のごくごく一般人の参加者によってあまり書かれることはなかったなと思い、筆をとりました。

そもそもハッカソンにどういうモチベーションで参加している人が多いのでしょうか。筆者体感値調べだとこんな順番です。

  1. 普段作れないものを作って楽しみたい
  2. 会社では使わない技術の学習、スキルアップ
  3. 参加者をはじめ、サポートに来てくれるAPI提供会社の方々と交流したい
  4. 優勝してプライズが取りたい
  5. エンジニア仲間・起業仲間がほしい
  6. 事業に繋がるサービスを生み出したい
  7. 参加してみることに意義がある

ちなみに、私のそもそもは5でした。エンジニアさんとは無縁の法律業界にいたので、どこに行ったらWeb系サービスを一緒に作ってくれる人がいるのか悩んでいたからです。

そして、あちこちに体当たりしに行った先の一つがハッカソンです。おかげさまで「エンジニア仲間を見つける」という目的は達成できたので、もうハッカソンには出なくていいかなと思っていました。

ところが、友人が書いたハッカソンで優勝してシリコンバレーに行ったブログを読んで、正直にうらやましいな、と感じました。

そんな矢先に視界に入ったのが「Yahoo! JAPAN Hack Day 2017」。賞品はシリコンバレーツアー。これは参加して、優勝したいと思いました。

初めてのハッカソンでチームに入れてくれて仲良くなった友人と、これまでさまざまなハッカソンに参加し、数々のスポンサー賞をいただいてきましたが、いまだ優勝したことはなかったのです。

※スポンサー賞だから残念ということは全くなく、むしろその体験の機会をくれたことにとても感謝しています。

ハッカソンで作ったもので世の中にどんな気づきを提案できるか

私はハッカソンでは、主にディレクター的な役割を担当しています。出されたアイデアをどう見せるのかを考えたり、作ったもので表示させる文言を決めたり、根拠となる資料を引っ張ってきて、最終的にプレゼンします。

ただここは私も未熟なところで、でき上がったものが自分の中で腹落ちしないとうまく話せません。

例えば、エンジニアさんが「○○技術を使うのは超HACKだ!」と考える。そこで、プログラミングもデザインもできない非エンジニアである私は「どう落とし込んで、世の中にどうアウトプットして、何の役に立つと説明するのか」を素直に考えるのです。

  • そこに社会性があるのか
  • 世の中の利便性をひっくり返す気づきがあるのか
  • マネタイズできる事業性はあるのか

ハッカソンにおいてマネタイズは考えなくていいと言われてますが、審査員に聞かれることも少なくありません。「マネタイズはどうする?」など、アイデアレベルでも一応考えます。

アイデア出しとそれをまとめる難しさを実感

今回は私を含めて5人でエントリーしました。

メンバーは私、いつもご一緒しているマルチエンジニアAさん、最近ご一緒しているエンジニアBくん、そしてBくんのお友達のご紹介でWebデザイナーDさん・エンジニアEさん(以下敬称略)。

そもそもAから「VRで何かやりたい」と言われていました。そこにD・EもVRでUnityを使ってマッサージをネタに何か作りたいとのことだったので、ひとまずVRの方向性で考えることになりました。具体的に何を作るか決まっていませんでしたが、チーム名をDrVRにしてエントリー。

なお、私からのそもそものアイデアは、Twitterでの著名人に対するツッコミなどのツイートを楽しいエンタメに変換したり、拡声器でIoT的な何かできないか、でした。この案にこだわりはなかったので、VRに賛同しました。

D・Eとはお会いしたことがなかったので、アイデア出しも兼ねて実際にお会いする機会をHack Day前に2回持ちました。

1回目はマッサージ以外にもアイデアを出してみようということで解散。2回目はマッサージ案はUnityを使うこと以外の仕様が出ないなら、他のアイデアにしましょうという話になりました。

その後、Aから「グルーモーター(スマホのイヤホンジャックにさすとコンテンツと連動してスイングするモーター)の組み合わせから何かぶっ飛んだものを作りましょう」という提案がありました。

具体的にはスマホのジャイロで上下左右の動きが取れるので、ゲームコンテンツと連動して失敗するとグルーモーターにつけたピコピコハンマーで頭を叩かれるといったゲームが作れるというというものでした。

私からはかがんでスカートの中が見えそうになると、カメラ部分がグルーモーターにつけた扇子で塞がれるといったアイデアを出しました。

腰を下ろしてのぞき込むのか、しゃがんでのぞき込むのか区別がつけられたら、腰痛予防という課題解決のコンテンツが作れるのではと提案。腰を下ろしてかがむのはよくない姿勢なので視界を遮断するといった感じです。

ただスマホでそこまで判別はつけられないとのことで断念。後ほど判明したのですが、Dはスカートの中をのぞくという企画を快く思っていなかったそうで、少し反省…。

次に思いついたのが、カードボードが周りの人からは「何を見ているのかわからない」ことをヒントにしたもの。装着している人がカメラで周りを見ているのか、それともスマホ内のコンテンツを見ているのかが、外から知ることはできないかなどと考えましたが、具体的なコンテンツに落とし込むことができぬまま当日です。

グルーモーターとスマホをつなげるのはAが、カメラとUnityをつなげていくとこはBが進めていくことになりました。

チームメンバーとのトラブル勃発を乗り越え…

そして、いよいよHackday当日。Aはグルーモーターの動力が思ったよりも弱かったので、秋葉原の町へお買い物に出かけました。

一方、Dがグルーモーターでプロダクトを作ることに納得しておらず、「自分たちが持ち込んだマッサージ案を作りたい。周りの人からも評判いいのに、なぜそれを作らないのか」と言いました。

なぜ、作らないか──エンジニア側の解は簡単、「VRならUnityでうまいこと作れるでしょう」だけでは仕様が決まらないからです。

これは営業さんが適当に仕事をとってきて、現場のエンジニアさんが困るというような、実際のお仕事の頼み方全般にも通じることだなと思います。

結局、夕方、D・Eはそもそも向かっていた先が違うと言って帰ってしまいました。

これも経験だと思って気持ちを切り替え、ここで棄権するのか、何かしら発表して帰るのか、3人で話し合いが始まりました。とても重い空気でした。

Unityとスマホカメラへの連動は、Bがすでに仕込んだにも関わらず、B自らVRはやめましょう!とばっさり捨てました。このまま残っても勝てるプロダクトは作れないし帰るという日があってもいいか、とまでBが言ったところで、Aが続けると言いました。

Bに何を作りたいか聞かれ、当初のIoT的な拡声器を伝えてみました。秋葉原で防音シートを買ってスマホをくるみ、段ボールで作ったメガホンに入れて音が外に漏れない状態で叫んだ言葉がTwitterに投稿していくのはどうかと。

するとBは、「そのまま投稿しても面白くないから、ランダムで翻訳しましょう」と応えてくれました。

言いたいけど言えない…そんなことをメガホンで叫んで、普通に読めない言葉に変換してSNSに投稿してストレスを発散!投稿先のSNSは、微妙な匿名性とソーシャル性がよいということでTwitterを採用しました。

そんな大枠が決まったのは、すでに22時が回った頃。ここから12時間で各自何するか決め解散し、健全に自宅で睡眠とりました。

翌日、私は得意な段ボール工作で、ちゃちゃちゃとメガホン作成!アプリ側にHACKがないかもとは思いつつも、こんな事態でもアウトプットできるとこまでやってみたらいいんじゃないかな、きっと何かに繋がるだろうとポジティブに考えるようにしました。

目標設定と積極的に提案することが大事

発表の結果ですが、ややウケいただけたようで展示ブースにも何人か見に来てくれました。見ず知らずの方と意見交換したり、お話しをしてもらえるのはハッカソンの醍醐味ですね。

ヤフーのHack Dayはハッカソン参加者以外も見に来るので、いろいろな人と交流できるのは貴重です。この機会になにかしら作ってよかったと思います。

以下、まとめです。

1. ハッカソンでチームを作るときは、目標が同じ人たちと組もう

この技術使ってみたい、絶対優勝したいなど、参加の動機は人それぞれですが、目標が同じでないとなかなか気持ちを一つにすることは難しいと実感しました。同じ会社の人と参加してさらに結束を深めたり、その場で作ったチームメンバーで意気投合して起業という新たな目標を持ったり、とハッカソンという短い時間でこそ見えてくることがあります。

2. 言われたことをやるのではなく、自らやれることを提案しよう

技術やアイデアが未熟であったり、失敗したりしても誰も怒りません。前のめり気味で「これできます」「これやりましょう」「これ使ってみたいです!」と進んで手を動かすことが大事だと思います。

「これやってみたけどうまくいかない」というときは、自分のチームだけでなく、周りのチームの人が手伝ってくれることもあります。また困っている人がいて、自分ができることがあれば、協力を惜しまない。助け合いは大事なので、ふと気づいたら声をかけてみましょう。いつも周りの人には感謝しています!

3. 少なくともハッカソンでは楽しくやり切る気持ちを持とう

やりたいと思う→やりますと言う→やり始める→やり切る→やり続ける。やりたいなと思っても、実際にやり始める人はそれほど多くありません。そこから言ったことを最後までやり切る人はごくわずか、さらにやり続けられる人って、ほとんどいないのではないでしょうか。

ハッカソンに限らず起業でも社内事業でも必ずしんどい時はあります。でもハッカソンで失敗したからといって大きなお金や社会的地位を失うこともありません。

たとえ作り切れなかったとしてもやり切った経験は達成感として残りますので、ちょっとでも興味を持っている人は、短い時間で終わるアイディアソンもたくさんあるので何かしらチャレンジしてほしいです。

トラブルや想定外の出来事もいろいろあるけど、最終的なアウトプットができる楽しさとそこに付随する自分の気づきに向き合えたら、人として成長できるのではないでしょうか。

周りの人たちの発想や発表にも刺激を受けることがたくさんあります。行政書士の仕事をしているだけでは出会えない技術や思いを知り、現場を体感し、何を経験として持って帰るのか、どう次につなげていくのかは毎回勉強です。

今までも新しいお友達ができたり、さまざまな気づきがありましたが、PayPal賞もらったことがきっかけで今度PayPalのユーザーグループを作る機会をいただきました。ハッカソンはいいことにもたくさんつながります。

今後は東京以外の場所に行ってハッカソンを楽しんだり、非エンジニア・非デザイナーがプランナーとして何ができるのかを伝えられたらいいなと思っています。

また、あわよくば知的財産に興味を持っていただき、新しいクリエーターが生まれてくる環境を少しでも広げるお手伝いをしていきます。

PayPal User Group立ち上げイベント開催!

4月5日にPayPal公認のPayPalユーザーグループ「PPUG」が発足します。

PayPal User Group立ち上げイベントとして、第一回勉強会も開催予定です(参加費無料)。

ハッカソンで作ったものをブラッシュアップしてマネタイズしたい方や、ECサイトの構築などでPayPalに興味があるエンジニアの皆さんのご参加をお待ちしております!

(イラスト:絵理すけ 撮影:延原優樹)

新井 秀美
行政書士をしながら、クリエーターのためのポートフォリオ作成サイトCOLET(コレット)開発中。StartupWeekendにてフェチ東京を作った優勝経験からハッカソン参加経験もあり。ちょっと変わった事業相談が大好き。
六本木の政策研究大学院大学にて行っている知的財産マネジメント研究会(Smips)の「エンタメと知財分科会」共同オーガナイザー。
Twitter:@parrotJPN
COLET(ベータ版)

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