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澤円&ちょまどのまどか☆まどかスペシャル対談! ─自分で創る「エンジニアのキャリア」とは

2017.05.12 Category:勉強会・イベント Tag: , , ,

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CodeIQ感謝祭に実施した日本マイクロソフト澤円さんとちょまどさんによる特別対談。テーマとなった「エンジニアのキャリア」について、どんな対談が行われたのかレポートします! by 馬場美由紀 (CodeIQ中の人)

澤さん、ちょまどさんの相違点とは?

:僕、こう見えてもサラリーマンで、ミュージシャンではありません(笑)。
エンジニアとしてのキャリアはCOBOLのプログラマとしてスタートしました。ちょうどWindows3.1が出るか出ないかの頃ですね。

現在はマイクロソフトテクノロジーセンターのセンター長として、お客さまにわかりやすくMicrosoftのテクノロジーの説明をしています。

また、サイバークライムセンターの日本サテライト責任者も務めており、サイバー犯罪の情報もお客さまにわかりやすく伝えたり、データセンターのツアーガイドも務めています。

日本マイクロソフトの仕事以外にも、琉球大学の客員教授、FiNCというヘルスケアベンチャーの顧問、ビズリーチの顧問もしております。

澤 円さん
日本マイクロソフト株式会社マイクロソフトテクノロジーセンター センター長 

ちょまど:私の本名は千代田まどかですが、ちょまどと呼ばれています。

文系の大学生でしたが、独学でコンピュータ科学を学び、仕事でもプログラミングがしたくて、新卒でSIerにシステムエンジニアとして入社しました。

でも、研修が終わり現場に配属されて、いざお仕事が始まったら、ずっとExcelにテスト結果の画面のスクショを『手動で』貼り付ける、自動化の禁止された『エビデンス作り』と呼ばれる作業ばかりでした。

先輩に聞いたら入社して1~2年間はずっとこの仕事らしいです。良い会社だし皆さん良い人たちばかりでしたが、仕事内容が合わなかった。とにかくコードを書きたかった私は現場配属後 即退職届を出し、結局入社3カ月目で退職しました。この時は親が泣きましたね。

その後すぐ、2014年8月にベンチャー企業に転職し、iOS/Androidアプリを作る開発者になりました。フロントエンドはクロスプラットフォーム開発ツールのXamarin (ザマリン)を使い、バックエンドはASP.NETで作ったWebアプリをMicrosoftのクラウドサービスAzure (アジュール) に上げる形で開発していました。

iOS/Android/Webの3プラットフォームを全てC#で記述し、コード共通化しながら開発していたんですね。Xamarinサイコー! C#サイコー! Visual Studio(IDE)サイコー!

そして、2015年12月に開催されたCodeIQ感謝祭で、連載しているマンガ「はしれ!コード学園」についてLTをしてほしいと言われました。私は普段引き込もっているコード書きなので人前に出た経験に乏しく、かなり緊張しながらLT登壇しました。

漫画の話をするべきだったのですが、ついついオタクの性からLTの大半で「Xamarin はいいぞ、C#はいいぞ。Azureがいいぞ、Visual Studioはいいぞ」という話をし続けてしまいました。

そうしたら、LT後、そこにたまたま居合わせたMicrosoftのテクニカルエバンジェリストの人に話しかけられ、技術的な話で盛り上がり、結局 彼経由でMicrosoft社から声がかかり、6回の面接を経て今、Microsoftのテクニカルエバンジェリストとして活動しています。

ちょまど (千代田まどか)さん
日本マイクロソフト株式会社デベロッパー エバンジェリズム統括本部 テクニカルエバンジェリスト。JXUG (Japan Xamarin User Group)。エンジニア兼マンガ家。

:今日の対談のゴールは「もっとエンジニアとして輝くために、我々ができることを知る」。今日の対談をヒントに、もっとエンジニアライフをアップグレードしてもらえればよいと思っています。

澤さん、ちょまどさんの共通点は「文系出身」

:まずは、お互いの共通とそうでないところについて確認しておきましょう。

今回の対談相手のちょまどとは、性別も違えば年齢も倍ぐらい違います。そして立場もちょまどはエバンジェリストでプレーヤー。僕は管理職で、見えている世界が少し違う。

ちょまど:プレゼンテーションのターゲット層も違いますね。私がターゲットとするのは自分と同じデベロッパー。一方澤さんはスーツを着た人たち。

:エグゼクティブ層ね(笑)。企業の経営層や、大臣や国会議員といった層に向けたプレゼンテーションをしています。

一方、ちょまどと私の共通点は、エンジニアリングのバックグラウンドがあること。そして文系出身というところかな。

ちょまど:そう、文系。津田塾大学の英文科を卒業しました。在学中はシェイクスピアとか読んでました。

描いた絵や自作マンガをネットで公開したいと思い、でも当時はpixivがまだなくて(あったかもしれないけど認知していなかった)、自分でサイトを作ることにしました。まず、HTML / CSS / JavaScriptを勉強しサイトを作り、安いレンタルサーバーに上げ、そして掲示板が欲しくてPerlを勉強したり。すべて、自分の煩悩のために勉強しました(笑)。

:そうそう。テクノロジーが著しく進化するきっかけは、だいたい戦争かエロなんだよね。

僕は経済学部出身で、学生時代はマルクス経済などを勉強していました。僕たちの就活時代は就社をする時代。それはつまらないなと思って、何か肩書きが欲しいと思ったんですね。

そんなとき、文系SEという言葉が流行り、SEになろうと思いエンジニアとしてのキャリアが始まった。

ちょまど:私は「文系大歓迎」という文言でSIerへの就職を決めました。

:もう一つの共通点は、複数の立脚点を持っていること。ちょまどはプログラマで漫画家。

僕の場合はIT業界にいながら、プレゼンテーションやマネジメントという切り口で講演をしたりしている。あとアウトプットする場所を持っていることも共通点かな。

ちょまど:そうですね。

:実はアウトプットするのはエンジニアにとってすごく大事なコト。アウトプットすることで、たくさんの情報が入ってきます。

ちょまどの場合は、マンガを書くことでCodeIQにつながり、CodeIQからLTの依頼が来て、LTでアウトプットしたことでMicrosoftに入社となった。

このようにエンジニアとしてアウトプットすると、キャリアに直結する場合がある。当然アウトプットし続けるには、苦労することもあると思うけど。

アウトプットをすることはエンジニアにとってすごく大事

ちょまど:苦労というか、たまに「エンジニアならコードだけを書くべきだ。マンガを書きながらコードを書くなんて手ぬるい」と言われることがます。

:職人タイプの人からすると、中途半端に見えるのかもしれないね。テクハラという言葉があるけど、テクノロジーについては俺の方が知っていると攻撃してくる人が一定数いることは事実です。

たしかにテクノロジーに詳しいことは一つの武器だけど、それよりも大事なのは人に受け入れられること。つまりその人の技術がどれだけ役に立つのか、他の人をハッピーにするかということの方が、価値があるんです。

例えばちょまどのマンガも、プログラミング言語に興味を持ってもらえるきっかけになっているのであれば、テクノロジーに貢献しているということじゃないかな。

ちょまど:社会人3年で文系出身でMicrosoftのエバンジェリストなので、「あいつはマンガを描いているだけじゃないか」と言われることもあります。本当は人前で話すのも得意ではないんですよ。

:話をしたりアウトプットが得意なことより、伝えたいというパッションと伝えるべきモノが、自分の中にあるかどうかが重要なんだよね。

ちょまどの場合はマンガというアウトプットの手段を持っているので、たとえ話し方がうまくなくてもバリューは下がらない。もし皆さんの中でプレゼンテーションが苦手であるという人がいても、それは後からいくらでも身につけることができるので気にしない方がいいですよ。

それよりもアウトプットの手段を考えてみること。ちょまどのように絵を描いてもいいし、音楽にしてもよい。とにかくなんらかのアウトプットをしていくことをしてほしい。

ちょまど:そうですね、アウトプットは重要だと思います。たとえば、私は「ちょまど帳」というブログページを持っていますが、実はこれはMicrosoft社の採用面接用にWordPressで作ったポートフォリオサイトでもあるのです。

面接が決まってあわてて 3日間で作りました。自分の経歴や紹介と一緒に、自分の今まで描いた絵作品や漫画、そして書いたコードを見てもらうためにGitHubにコードを上げてそこへのリンクを載せました。採用面接官も、エンジニア採用に関しては「この人は何ができるか」っていうのが見たいと思って。

:面接のやり方にこだわる人もいますが、面接官としてはそんなところを見ていないんですね。面接で重視しているのは成長する意欲が感じられるか。

そしてもう一つは、「私はこれがしたい」という成長の原動力、エンジンがあること。そういうことの準備をしていると、「まだまだこの人は伸びるな」という判断になる。僕が就職活動していた当時はインターネットがなかったから、そんなアウトプットもできなかったけど(笑)。

ちょまど:えっ、インターネットがない?

:インターネットはあったけど、一般家庭には普及していなかった。エンジニアとして入社して一発目の研修では、アルゴリズムという言葉が分からななくて、そこで思考が止まってしまった。今なら簡単に検索できるけど、当時は調べられないので、キーワードが分からない状態で勉強するのが大変だったんです。

これからやりたいこと。澤さん「リバースメンタリング」

:これからやりたいことについて話しましょうか。

ちょまど:明確にはありませんが、自分の好きなことをずっとやっていきたいと思っています。今、直近で興味あるのは、Surface Studioですね。

:28インチの液晶ディスプレイを備えた液晶一体型デスクトップPCだね。

ちょまど:絵も描きたいし、プログラミングもしたい。そしてミックスドリアリティも。いろいろやりたいことがあって絞りきれないです。

:僕は今年で48歳になるが、まだまだ興味範囲を広げていきたいし、新しいことにも挑戦したい。今はリバースメンタリングというのをやろうとしている。リバースメンタリングとは、自分よりも年下だったりキャリアが浅かったりする人をメンター役に指名すること。

というのは、若い人を指名してメンタリングしてもらうといろいろ発見があるから。実際、若い人と話をすると、85%が初めて聞くことや知らないことがあるといいます。若い人からいろいろな情報を得ることで、まったく違う角度から考えられるようになるんです。それをまた自分のキャリアに生かしていきたいですね。

対談は終了。ここからはQ&Aタイムに

Q:リバースメンタリングに関心を持ったきっかけについて教えてほしい。

:尊敬している先輩がリバースメンタリングについて考えていたことですね。そして自分が若い人のメンターをしている中で、自分自身も学んでいるという手応えがあったこと。またメンターを任せることで、その人の成長も手助けできると考えたからです。

ビジネスの領域での問題は、プロのマネジャーが少ないこと。リバースメンタリングがプロのマネジャーを育てる素地になるのではという期待もある。

若い人たちにマネジメントというのはどういう目線でいるのかを、年上の人と話していく中で見つけてくれればラッキーだという思惑もあります。

ちょまど:実は私も本部長のリバースメンタリングを任されているんです。2週間に1回のペースであります。

でも私は意図が分かっていなくて、メンターの時間になると、毎回、彼女に「Visual Studioを開いてください」と言って、Visual Studioの使い方を教えたり、C#でスマホアプリの開発の仕方を教えたりしています。彼女はもう自分で簡単なスマホアプリを作れるようになりましたよ!

:それもいいこと。リバースメンタリングは相手が知らないことを発見することに意味があるのだから。

Q:澤さんのこれまでのキャリアの中で転機になったできごとについて教えてください。

:僕が新卒で入社したのは、生命保険会社のIT子会社です。開発はしていたけど、何を作っているかわからなかった。

全体像が見えていなくて、言われたことだけをやるというITブルーカラーだったのです。ただ、ラッキーだったのは僕のいた僕の部署は外販の可能性を探るため、展示会やIT系のイベントなど、外に出ることを許されていたこと。

そしてInteropに行ったときに、世の中のITはこんなに面白いことになっているんだということを知ったんです。

論文を書いて賞金をもらったときは、COMDEXという展示会に出かけた。当時のCOMDEXは世界最大のITショー。ラスベガスで開催されていた会場を訪れたとき、度肝を抜かれた。

すごい世界があるということがわかり、5年でそのIT子会社を辞めた。そんなときにヘッドハンターに声をかけられて、キャリアをかけてプレゼンしました。その後は流れに実を任せているだけで、いつの間にか面白いところにいます。

Q:壊れてしまったエンジニアの再生方法について

:そのエンジニアが自信を取り戻すためには、アウトプットの機会を持つことだと思います。コミュニティに参加したり、異なる業界のエンジニアが集まる会に参加して会話をしたり。

気をつけてほしいのは、「あの人だからできることだ」とか「私にはできないかもしれない」と思わないこと。僕なんてエンジニアとしては全然ダメで、コーディングしてコンパイルを一度で通った経験は一度もない。

ちょまど:そんなもんですよ(笑)。

Q:仕事へのモチベーションのエンジンについて。

:僕は若い世代を育てていくこと、可能性を伸ばすこと、エンジニアリングができるマネジャーを育てることに貢献したいということが仕事をする上でのエンジンになっていますね。

ちょまど:私はいま自分の好きなことをしています。XamarinやC#が好きすぎるので、それができていれば、モチベーションになるエンジンなんて必要ないですね。

エンジニアとして生き残るためにはマネジメントスキルは欠かせない!?

Q:エンジニアとして生き残っていくために必要なことについて。

:マネジメントスキルですね。マネジメントとは、まったく違う価値観を受け入れるということ。マネジャーはそれぞれ別の方向性の人たちを一つにまとめることが求められます。

そのためには一人ひとりの価値観を理解すること。それができるようになると可能性は無限大です。いろんな人といろんな大きな仕事ができるようになるし、多様なモノの考え方が受け入れられるようになる。

ちょまど:澤さんみたいにかっこよく、ビシっと決められるようになれればいいなと。今はエグゼクティブに対するプレゼンテーションの仕事は来ないので(笑)。

Q:澤さんがちょまどさんぐらいの年齢に戻ることができるとすれば、どんなことに注力したいのか。

:20台半ばに戻るとしたら、留学したいですね。英語はかなり話せる方だと思っているのですが、どうしても外国人と会話すると遠慮する癖が出てしまう。アウトプットをすることに対して貪欲であることを美徳にしている国の人と渡りあうためには、もう少し国際感覚を磨きたいですね。

エンジニアライフをもっと楽しく。今回の対談がそのヒントになれば嬉しいです!

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