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VRエキスパートたちが語った、非ゲーム業界のVRテクノロジーとビジネスの可能性は?_[PR]

2017.06.29 Category:インタビュー Tag: , , , ,

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「VR」といえばゲームというイメージが強いと思いますが、最近は非ゲーム業界でもビジネスに活かす企業が増えてきました。
今回はPsychic VR Labご協賛により、ゲーム以外の領域での現状やビジネスの可能性について、VRエキスパートたちに語り合っていただきました。
by Mogura VR 荒木綾夏

VRエキスパートたちが語る、ビジネスの現状と未来

※本企画は株式会社Psychic VR Labの提供でお送りします。

都内では常設や期間限定でのVR体験施設が昨年から、続々オープンしています。

そのせいもあり「VR=ゲーム」のイメージが強いですが、VRは非ゲーム分野でも広がっています。ゲームに興味がない人でもVRは関係してくるテクノロジーになってきました。

また、VRコンテンツ開発が個人でもできるようになったことには、ゲームエンジンが無料で使えることも大きいです。

今回は私、VR専門メディア「Mogura VR」のライター荒木綾夏(kure)がモデレーターを務め、Psychic VR LabのCTOである藤井明宏氏、VRエキスパートのポケット・クエリーズの代表取締役・佐々木宣彦氏、Epic Games Japan岡田和也氏、VR Tech Tokyoの諸星 一行(@ikkou)氏をゲストに迎えてお話を伺いました。

左から、諸星一行氏、佐々木宣彦氏、藤井明宏氏、荒木綾夏氏、岡田和也氏

――まずは、自己紹介からお願いします。

藤井:前の会社はVRをやっていなかったのですが、VRにはまり、趣味でVRの作品作りをしていました。個人的に展示して人に見せたりしていましたが、VRを仕事にしていきたいと思い、今年1月にPsychic VR Labに転職しました。

株式会社Psychic VRLab CTO 藤井 明宏(@afjk01)氏

佐々木:小学校、中学校時代がBASIC全盛で、マイコンBASICマガジンを見ながらやっていたくらいプログラミング好きでした。機械設計系に就職してトラックの設計をしていましたが、転職してシステム系のエンジニアになりました。

ずっと製造業向けの業務システムや3DのCADに関するデータ管理のシステム、ゲームシステムの開発導入支援をやってきてましたが、VRでは90年代に当時数億円かけた機械で今のOculusに近い開発に携わり、その後は業務システム一貫です。

2010年に今の会社を立ち上げ、ゲームエンジンUnityを使っていたところ、Oculusが出てVRが数万円で開発できるとなって再び始めました。

ポケット・クエリーズはゲーム開発会社ですが、VRが盛り上がってきたここ最近はゲーム半分、非ゲームが半分です。また、営利目的ではないMRに特化したWebメディアを立ち上げるなどの取り組みもを行っています。

株式会社ポケット・クエリーズ 代表取締役 佐々木宣彦氏

岡田:ライセンスの方のサポートやコミュニティ支援をしているサポートエンジニアです。僕は「ARToolKit」の加藤研(奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科インタラクティブメディア設計学研究室)で研究していたので、VRよりAR・MRとの出会いの方が早かったです。

ソニーのHMZ(3D対応ヘッドマウントディスプレイ)でいろいろ遊んで飽きてきた頃に、DK1(Oculus Rift 開発キットDevelopment Kit 1のこと)のニュースを見て、どっぷりとなりました(笑)。

以前はゲーム会社にいましたが、Unreal Engine4(以下UE4)をやりたくてEpic Games Japanに転職し、VRの案件を優先的に対応したり、個人でもVR開発をしています。

Epic Games Japan 岡田 和也(おかず)さん

諸星:VRコミュニティを盛り上げるために勉強会と体験会を兼ねたコミュ二ティ「VR Tech Tokyo」を立ち上げて2年目に入ったところです。

まだVRをやっている人の絶対数が少ないので、つなげて増やして携わることを増やすことを目的にしています。VR・AR・MRを日本でビジネスにしていくには広げて増やすことも大事だと思いながら活動しています。

「VR Tech Tokyo」コミュニティリーダー 諸星 一行(@ikkou)氏

建築物の避難・火災・地震等のシミュレータに活用

――最近はVR=ゲームのイメージが強くなっていますが、非ゲーム系VRビジネスの現状はいかがでしょうか。

佐々木:1つの事例としては竹中工務店とのプロジェクトで、CADデータの建築物における精確なデータ解析を元に作られた人の避難・火災・地震等のシミュレータです。VRモードと非VRモードがあります。

ゲームだとエフェクトでつければいいところも、きちんと科学的な正しい考察に基づいたシミュレーションで、いかに高速に再現するかに注力しています。受注に際し、商談段階で建物の避難経路等を見せたり、受注後は設計担当者が解析して見るために開発したものです。

今年度は実用化の予定です。今まではムービーでプレゼンしていたものをリアルタイムシミュレーションで自由に見せられるところが大きいですね。

去年の東京ゲームショウでVRで日本語学習をするコンテンツを展示したところ、教育関係の案件が多くなり、VRモード付の会話練習アプリが7月下旬にリリース予定です。教育に対して、VRの効果がどれほどあるかを東京大学の先生に関わってもらい、立証実験行うなど、研究開発的な活動も実施しています。

他にも、教育×VR・MRという取り組みがこの先増えそうな気配があります。

諸星:「Unite2017」(Unityユーザーのための講演やブース展示などが行われるカンファレンスイベント)でも竹中工務店の展示をしていましたよね。

――VRは教育と建築が多いわけですね。

佐々木:それと医療ですね。特に建築物の内覧や工事現場での教育が多いです。MicrosoftのHoloLensと小柳建設の事例などもそうですね。

諸星:カジュアルなVRでいうとモデルルームなどでも置かれていますね。VRヘッドマウントディスプレイを被ってモデルルームを見せるところが増えてきて、一般に広まっている感じがします。

ファッション×VR×ショッピングの配信プラットフォーム「STYLY」

藤井:ファッション×VR×ショッピングをキーワードに「STYLY」というクラウド型のVR配信プラットフォームを開発しております。現在はプライベートβとして招待制で公開していて、近日中にオープンβリリース予定です。

Webで動くエディタがあり3Dモデル・画像・音楽・PDFをアップし、用意してある3Dアセット等を自由に置いたり、大きさや位置などを変えて、ブランドイメージのVR空間を作ることができます。

今年のSXSW(South by Southwest、毎年3月にアメリカで開かれる映画・音楽・インタラクティブなどの一大フェスティバル)ではPARCOさんと共同で「STYLY」を使ってVRを使った未来のショッピングの提案という展示をしました。

――Unityの知識がなくとも使えるということですよね?

藤井:はい。CGを制作している人などがVRコンテンツを作成するにあたり、最初のハードルを下げてVRを作る人を増やしたいと考えています。

佐々木:ファッションに寄せているのはなぜですか?

藤井:VRは現在エンターテイメント分野での利用が多いですが、より広い層に浸透させていきたいと思っています。ファッションはある意味どんな人にも関係するものですから。

また、技術的な点では弊社で開発した3Dスキャナーが洋服と相性が良かったということがあります。

――VR内でブランドイメージの空間を作る方が、実店舗で作るよりコストが抑えられるということもあるんでしょうか。

藤井:そうですね。あとは、VR内に心地いい空間を作っていきたいです。服以外にもさまざまな雑貨などが置いてたりして、ブランドイメージを形成しています。

諸星:女性のみのVR開発体験ワークショップでも使われていましたよね。

藤井:その場にいなかったのですが、「STYLY」なら簡単に作れると参加者の感想を聞けて嬉しかったです。

モーションキャプチャーをVRで伝える

――ポケット・クエリーズもSTYLYもUnityを使っていますが、Epic GamesのUE4はゲームや映画に使われているイメージが強いです。

岡田:映画「ローグワン」の事例が発表されています。僕がもともとゲーム会社の人なので、ゲーム寄りにはなりますが、Viveトラッカー(HTC Vive用で、つけたものをトラッキングするアクセサリー)を腕や肩につけるとトラッキングが簡単できるモーションキャプチャーのようなものを開発しています。

ゲームはまず企画担当者が手振り身振りで「この動きはこうなんだよ」と説明して、伝えられたアニメーターが何とか解釈して作るのですが、DCCツールで作るのは大変だし、モーションキャプチャーは大手ゲーム会社にしかありません。

企画担当者がViveトラッカーをつけたモーションを仮として他の人に渡せれば、簡単にプロトタイプとして使えるのではないかと考えました。UE4でも有料ですが、フルボディIKプラグインがでているので、遊んでみたりしています。

個人的に3人称視点のVRゲームが好きで、小人のようなキャラクターにOculus Touch(Oculus Rift用ハンドコントローラ)でここに行ってくれと命令し、動作をさせてみて、その動作に対し、合ってるか間違っているかを示す、ゲーム性がありポストペットのようなペット感覚で触れ合うコンテンツを開発しています。ポストペットVRもありますけど。

VRはそもそも人口が少ないので、ライトユーザ層でもある程度遊べるコンテンツや使えるツールとして提供できればと思っています。

IKEAのインテリアシミュレーションや、NASAの宇宙空間での訓練に活用

佐々木:ヒストリアさんがUE4で作りこんだ、部屋の中のインテリアを置くコンテンツで家具を置くときや出現する手法やUIの操作法がゲームぽくて面白いなと思いました。あれはすごいですね。

岡田:海外ではIKEAさんの「IKEA VR Experience」が1年半前に出ていて。

――これは子供の身長になって見られるのがいいですよね。子供の目線でキッチンの危険な場所がわかる。

岡田:さすがIKEAさん、タイルを手軽に変えるUIがいいですね。ほかにもNASAが訓練に使っていますね。実際に月に行くわけにいかないので。

佐々木:アポロ13号のはやりました。宇宙好きなので月に行って帰ってきて興奮しました。1時間位立ったままでしたが。

――Epic Gamesは大学教員向けのセミナーもしてましたよね。

岡田:教育関連にも力を入れています。今は中高生からプログラミングに携わる時代ですし、早い段階で提供すれば時間はあるので、いいものが作れるんじゃないかと。

――プログラミングは、どの方面に向かったセミナーになるのですか?

岡田:基本はゲーム専門学校から依頼が多いのでゲーム寄りになっていますが、最近だと大学の研究室からゲームエンジンを使いたいと言われることも増えています。ゲーム会社でも大学と連携して研究する流れもあるので、そこから広がっていけばいいなと思っています。

今後、VRの普及で生活はどう変わる?

――非ゲームのVRの応用や、今後どうなっていくかをお聞きしたいです。

佐々木:今考えていることはリモートワークへの活用です。支社がベトナムにもあり、毎日Skypeでこまめに連絡をとっているのですが、Skypeは繋がるまでに時間がかかます。横にいて気軽に話せるというわけにはいかないので、コミュニケーションのロスが発生します。

Skypeで画面共有しながら話しますが、できれば一緒に書きながらああだこうだ話し合うことがができたほうが、断ぜん楽です。そこで、HTC Viveが出たときに内臓されたフロントカメラで、映像越しのMRを考えました。

ベトナムチームが目の前に座って見えたり、こちらが紙に書いたことを画像認識を使ってバーチャルの向こう側にマッピングされたらと夢見て、2年ぐらい考えていたのですが、HoloLensができたのでHoloLensを使った方が早いかなと思っています。

HoloLensは重いのでかけっぱなしはつらいですが、メガネくらいに軽くなれば仕事のスタイルや生活のスタイルが変わるのではないでしょうか。MRでのリモートワークが不便なくできるようになれば、ビジネス的にも大きな影響を与えるのではないかと。

藤井:VR・MRのヘッドセットが今後、世に普及してくることはもう間違いないと思っています。一番のメリットは時間や距離といった制約を取ることが大きくて、先ほど佐々木さんがおっしゃていたように離れた人たちと一緒に何かできることが当たり前になると思います。

――「STYLY」に対して、ファッション業界での反響はどうですか?

藤井:いろいろお話をいただいていて、最近ではSXSWや伊勢丹でユイマナカザトさんの展示をしています。VRで本を見るようなカタログのUIも作っています。他の人と空間ソースを共有するというのもやっていきたいですね。

――VRの中でショッピングや美術館をそのまま体験できるということですか?

藤井:はい。我々としてはVRの中で過ごす時間を長くしたいと考えています。今のヘッドセットだと長い時間つけるのは苦痛だったりするので、コンテンツの方で長く過ごせるものを念頭においています。

諸星:かつてのセカンドライフに近いイメージですね。

藤井:そうですね。弊社の役員の渡邊はセカンドライフの仕掛け人です。

諸星:VRの中だとcluster.(VRイベントルームを作れるサービス)も正式にリリースされ、今回のような座談会もcluster.でやると面白かったなと。個人的にはリアルにはリアルの温かみがあると思っていて、非効率な部分はありますが、完全バーチャル空間に置き換わったときにどうなるかは興味がありますね。

佐々木:以前GOROmanさんと対談した際に、今後バーチャルな空間の中にどんどん置き換わっていったとして、そのバーチャルな空間の中でいかにアナログなことをするかを考えたら面白いのではないかという話がでました。

なぜかバーチャル空間の中でFAX機があって紙に書いてから入れるとか、あまりそういうことを考える人がいないから、逆に新鮮なアイデアが出るのではないだろうかと。最新な仕組みの中であえてアナログな仕組みを考えてみたいですね。

――あえて音楽を流すのに、テープを使ったりレコードを使うような? でも、DJはレコード使いますね。DJならVR内でもアナログレコードですよね。

佐々木:年配の方も携帯がそうであるように、新しい製品や技術は使いにくくなる。何も違和感のないものを作れたら、みんな自然にVRを使うようになるのでは。

岡田:いろいろな方が言っていますが、VRはひきこもり向けでARはリア充向けだと僕も思っていて。

VRとARも今後どちらも解像度が上がり、軽量化して長時間使えるようになっていきますが、方向性が違い、ARが現実世界+αと重畳していく方にVRは仮想空間。VRはひきこもりが加速し、現実がVRに置き換われるようにすればいいのかなと。

弊社のトップのティム・スウィーニーはUE4の作業をVRでやることがベストだとVRエディタを作っているので、全ての作業・ミーティングも含めてVRでやれれば出社しなくてよくなります。

時間のロスをなくしてもっと面白いことをやれるようようにしたり、ゲームなら作品のクオリティを上げることや、早く帰って家族との時間を大切にするなど、人として有意義なことに時間を使えればいいと思います。

ARに関しては、学生時代に見たMicrosoftの5年後~10年後こうなるんだという動画(Microsoft: Productivity Future Vision)を、こんなのまだ無理だろうと鼻で笑っていたこともありました。しかし、HoloLensが出たことで、それほど遠い未来ではないという気がしてきました。

(映像内について)GOROmanさんが言ってそうですが、こうすれば人の名前など覚えなくていい分、脳を使わなくていいし、もっと面白いことを考えるのに脳が使えるので、面白いコンテンツが増えていくのではないかと思います。特にVRネイティブといった人たちなら、もっと早く文化が発展するのではと思います。

そうなると僕たちはどんどん置いていかれるわけで。頑張って歯食いしばりながらついていかなきゃならないと(笑)。

リアルな臨場感・没入感を表現するユーザー体験をどう設計するか

――今後必要とされるVRエンジニアはどういった人だと思いますか?

藤井:まだVRではこれが正解というのがないので、自分でどんどん試して作っていく人が求められると思います。

今はUnityもUE4もユーザーがかなり簡単に手を出せるようになりました。プロトタイプも簡単に作れるようになり、今のVRの状況を盛り上げることに重要な役割を担っています。

試さないとわからなことがたくさんあるので、失敗を恐れずチャレンジする人が求められているのではないでしょうか。

佐々木:UI/UXデザインに対しては、エンジニアだと見栄えを気にせずやってしまうことが多いので、なんとなくテクニカルアーティスト的な人、プログラムができるデザイン要素に強い人がいいものを作っていくような気がします。

エンジニアはVR、特にAR、MRは実際にあるものと自然に合わせようとするし、逆にバグ解析など技術的な路線になってくる。技術的路線と感性的な面と両方必要とされるところは、ゲーム開発の世界だと両方システム的な人がやるので、考えやすいと思います。ただゲーム会社の人は実用ソリューションに取り組もうと考える人は少ないでしょうね。

諸星:VRはUI/UXがなかなか体系化されていない、これというお手本になるのがまだないですよね。今後は、専門の人が出てくるような気がします。

佐々木:逆に、今は考え放題なところがありますね。

岡田:ゲーム会社でも外からコンサルタントを呼んで、UXの講習を受けたりという流れも始まっています、コンテンツはどんどん巨大になりつつあるので、分業ではないですが、細かく割っていかないといけないのではないでしょうか。

ARは現実を拡張+αするところで、下手なものを出すと違和感が強くなり使いづらかったりします。AR・VRに求められる人は感性も大切ですが、さらに理屈として考えられる人が必要になってきます。

大学の研究室で人間工学や人はどういうときにどう判断するか、どう感じるのかを専門家に相談しながらコンテンツを作っていかないと日常生活にVRやMRが追加されない。自然で誰が使っても触れるような、例えばiPhoneのようなプロダクトでないと、次のステップには行けないのではと考えています。

藤井:キーボードもこれが正しいのかというと、これしかないから使っているのかもしれないですね。

佐々木:HoloLensのバーチャルキーボードは、メールアドレスを入れるだけで死にそうになる。テレビのリモコンで文字入力することと同じくらいです。

岡田:まず触感がないし、そもそもキーボードがあっていない。音声入力も面倒くさいですし。

諸星:物理で慣れてきたことをバーチャルに置き換えるときに、どのくらい自然に再現できるかが課題ですね。単純に慣れの問題でやりにくいと感じているのか、本当にやりにくいのか、今はまだ見えていないと思います。

佐々木:マイノリティ・リポートのような重力に逆らうUIは、10秒で腕が疲れます。キーボードは手を置いてやれる、そういうことも考えるところかもしれません。

岡田:昔Oculus Touchで作ったものが、スティックでスマホのようにフリック入力ができるものです。Oculus Touchはボタンや があって スティックなどの基本的な物理入力が一通りあることがすごい。

Oculus Touchはボタンがあって物理入力があることがすごい。触感がない現時点では一番最適なデバイスですね。

腕をだらーんと下した状態でやってもできるのではないかとやってみたのですが、結構よかったです。

問題は空間に特化したUIを作っても、れに適したコンテンツがないと意味がないいうこと。UIはコンテンツの中の何か問題を解決するための手段なので、UIだけで考えるだけでなく、UXでいうペルソナを作ってそれに合わせてUIをカスタマイズや、作る方がいいのかなと思っています。

――メールを打つだけならフリック入力でもいいですが、コーディングしようと思ったら大変ですよね。

諸星:荒木さんが今まで体験してUIが良かったものはありますか?

――現実と変わらないと感じたのは「The Lab」は良かったです、「Mikulus」がどこまで進化していくのかとか。

アイコンや画像を拡大縮小をするのに、今は両手で持って広げたり狭めたりしますが、新しい「Mikulus」を体験しましたが、スティックを前後に倒して拡大縮小するのは楽です。直感的なのは両手で引っ張ることと思いますが、スティックを倒す方が楽だと感じたことは大きいです。

NegipoyocさんのVR本屋で、重力に関係なく空間に本を置いて、寝ながら読め、手は床においたままページめくりができることも楽でよかったです。直感的というのは考え方次第かなとは思います。

VR専門メディア「Mogura VR」 ライター 荒木綾夏(kure)氏

諸星:究極的な入力方法は考えただけでできるようになることですよね。

岡田:UIで難しいと感じるのは、今親しんでいるUIから離れてしまうこと。「Job Simulator」というVRゲームで、ゲーム内にパソコンとマウスがあってマウスを使うとドラッグができるんですが、すごいなと思う反面、現実に縛られている気もしています。

ステップアップをどうするかが今後重要になってきます。開発者はわかるのですが、一般の人はキーボードやマウスがないと、「あれ?」となりますから。

藤井:展示で一般の人にやってもらうこともありますが、VRが初めての人は単純なテレポートですら難しいですね。開発者はテレポートといえば大体認知されていますけど。浸透すれば解決されるかもしれませんが、浸透する前にこれがいいというものを見つけないといけないですね。

佐々木:DK2を使っていて、去年Viveを買って初めて触ったとき、動けるだけで劇的に変わったと感じたので、デバイスの進化も大事ですね。ただ「Wii U」が出たときのように、動いてモニターを壊してしまうような、また別の問題が出ることもありますけど。

VRの最新動向はコミュニティやTwitterで情報収集

――そういえば竹中工務店の件では、VRを見せる対象が会長クラスの人で、まずヘッドマウントディスプレイを誰もつけてくれなくて困ったという話も聞きましたが。

佐々木:つけてくれれば一発でわかるんですけどね。

藤井:以前酔ったからつけたくないという人はいますね。

岡田:DK1の頃は好き勝手やっていた人が多くて、大分被害がありましたが、最近は皆さん惜しげなく知見を共有してくれたのでかなり減りましたね。

佐々木:皆さんがSNSやTwitterで情報を共有してくれることが大きいですよね。

岡田:ちょうどいい時代になってきましたよね。ゲーム業界でよく聞くのはPS2やPS3のときは各社が細々とやっていたけど、最近は様々なところで勉強会を開催し、発表しようという風潮がある。閉じこもらずにどんどんシェアしていこうと風潮がいいかんじ。

諸星:もともと、Web系は知見や経験を外に出していこうという文化があったけど、ゲーム系の場合は少なかった印象があります。VR Tech TokyoもWeb系出身の人が多いので、Web系のノリで発信する人を増やしたいなと強く思っています。

佐々木:僕はシステム系出身なのですが、MeetUPや勉強会に縁がなくて、7~8年前まで盛んにやっていることすら知らなかったです。2010年頃にiPhoneアプリ開発を学びたいと思って調べたら、埼玉にも勉強会が開催されていることを知りました。参加するとネットワークが広がるし、仕事にもつながるからもっと早くやっておけばよかった。今後も教えてもらうだけではなくいろいろやっていきます。

藤井:私の転職もTwitterがきっかけですね。VRコミュニティがTwitter中心なこともあり、Twitterで作ったものを発表していました。

勉強会やハッカソンがあることを知って参加するようになり、今の会社のCEOの山口と知り合って転職という流れだったので影響大きいですね。勉強会に行くようになって、VR系の知り合いがたくさん増えました。

――VR・AR業界に就活を考えている学生や転職考えている人は、作品をSNSなどで発表したり、コミュニティやイベントに参加するといいということですかね。

藤井:本当に重要だと思いますね。

岡田:作品の進捗なんかのツイートも、結構みんな見ていますよね。

佐々木:VRコミュニティの集まりでも、Twitterアイコンを見せるとわかってもらえるのですごく嬉しいですよね。

――コミュニティの集まりに出て本名で紹介されてもわからないですよね。

岡田:わからないですね。それこそARで頭の上にアイコンが出たらいいですよね。

佐々木:自分の体験からもアウトプットすることは大事だと思います。

諸星:UE4もエピックフライデーという進捗見せる場がありますよね。

岡田:はい、毎週金曜日に#EpicFridayというハッシュタグをつけて、みんなでTwitter上で進捗を発表しようという取り組みです。もともと本社がやっていまして、日本でもやってみようと。最近参加する人が少しづつ増えてきて、作ったノウハウを共有することがプラスになっています。

Twitterがなくなってしまったら、今後どうなってしまうか。一度も会ったことない人でもTwitterではよく話しているとか、ひと昔前では考えられない。

学生でもニコニコ動画などでどんどん発表していますし。ハードルが低いので、チャンスの機会は広がっていると思います。ただ専門学校の学生さんから聞くのは、作品として発表できるのは1~2割。ハードルは下がったけど、作品を出す人はまだ少ないですね。

諸星:それでも自分たちが学生の頃に比べたら、発表の場は増えましたね。そもそも発表の場が今ほど多くなく、ゲームエンジンはオープンではなかったですし。

佐々木:UnityやUE4もゲームエンジンの台頭で環境が大きく変わったので、それに合わせて様々なビジネス生まれることは企業人としては嬉しいです。

例えばゲーム会社がUnityに切り替えていこうというときに、初めてだから導入支援を手伝ってほしいという仕事につながったりします。本を書いて宣伝になったりなど。

――よくビジネス系の人に聞かれるのは「VR市場はいつ儲かるのか」ですが、どう感じていますか?

佐々木:DK1からここ数年の間、毎年盛り上がってきてるという実感はあるのですが、受託事業としてつながっていく感じはなかったです。HoloLensなどの建築への導入事例とか増えてきていますよね。

直近では作ろう、作ってほしいという事例は増えてきていますね。この先はSTYLYさんみたいなVRサービスのビジネスが急拡大するのではないかなと思っています。

藤井:数年前とはまったく状況が変わっていますね。前職の会社に「VRの会社に転職します」と挨拶に行ったら、「今流行りですね」と言われてびっくりしました。

周りでは認知されていると思います。VRが一般的にも認知はされていて、何年後にお金になりますとは言えませんが、Microsoft、Facebook、Google、AppleもVR対応の発表しましたし、この段階で自分がやめるということは考えられないですね。

岡田:ちょうど、DK1、DK2頑張っていた人たちの芽が出てきたかなという感じですね。「VR ZONE」も2回目ですし、今後ロンドンにも展開するとのこと。

VRは初期の頃に一部の人と一部の大手企業がやっていたことが、これからどんどん加速度的になるのかな。今VRのアトラクション作ろうと思ったら、ハシラスさんに声をかけますよね。

「VRといえば●●」というカタチをコツコツと作っていた人が今後注目されるので、今後5年後位にちゃんと声をかけてもらえる人になることが大事だと思っています。これまでのノウハウが共有されているので、ある程度は追いつけると思いますが、認知してもらえることが大変なので今はその準備も大切です。

諸星:ビジネスという視点で考えると「VR ZONE」、「VR Center」というVRに特化した商業施設や「ハウステンボス」のような大きいところだとわかりやすいということはありますね。

それ以外はどうやってやっていくのか。個人的にAppleがARやるようになって一気にARのプラットフォームになると思うので、ARの方が先に一般化するのは早いでしょうね。

岡田:ARも何回かきてはいましたけど(笑)。ようやく本格にって感じですよね。

諸星:日本はかつて「セカイカメラ」でやっちゃいましたよね。

岡田:GPSが認知されるようになって、ポケモンGoも流行ったし、今だったらすごくウケるのに。

諸星:タイミングはありますよね。

藤井氏作 クエリちゃんの3DCGモデルを使った作品デモを体験

ここで藤井氏が、ポケット・クエリーズから無料で配信しているクエリちゃんの3DCGモデルを、STYLY内で使って作った作品のデモが紹介されました。

佐々木:嬉しいですね、今年の夏のコミケに法人出展で当選したので、何かクエリちゃんで出そうと思っています。

諸星:アイコン的なキャラクターがいるのいいですよね。Unityにはユニティちゃんがいますし。

最後にVRに対する思いを!

佐々木:弊社は「拡現人」というメディアを立ち上げまして、MRなのにARみたいな名前になっていますが、拡張現実の方が浸透しているから使いました。

拡張現実の略と格言をかけていますが、コミュニティを作って業界を盛り上げていきたいなと思って作ったので、さまざまな方と今後も交流をしていきたいです。

岡田:VRに興味がある人は、どんどん踏み込んでほしいなと思っています。僕も含めてVR界隈はVRで人生変わった人が多い。

みんなTwitterでひーひー言いながらも楽しそうなので、お仕事するなら自分の好きなことでできたらいいのかなと。できれば、UE4を選んでくれたら嬉しいなあと思っております。

――勉強会も開かれているんですよね?

岡田:VRだけではなくUE4に特化した勉強会なのですが、気軽に参加してほしいと思います。

藤井:Psychic VR Labでは「STYLY」をはじめ、今後拡大したい事業がたくさんあります。

会社は10人くらいで始まったばかりの会社です。Unityができる方、VRが好きな方、ブラウザで配信するシステムなのでWeb系の人材も募集しています。VR体験スペースもありますし、オープンな会社でなのでぜひ遊びにきてください。

(執筆:Mogura VR 荒木綾夏(@kure) 撮影:平山諭 会場提供:TECH LAB PAAK

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