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幸せも苦労も共にできる─24歳エンジニアが語る、家族の存在が支えになったフリーランス人生

2017.09.11 Category:インタビュー Tag: , , ,

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現在政府が推し進める「働き方改革」。
その中でも雇用関係によらない働き方、「フリーランス」が注目を集めている。
働く場所や時間の自由度が増すということは、もちろん仕事以外にも変化が現れる。

今回は、二児の父である24歳フリーランスエンジニアの吉田優輝氏にインタビュー。フリーランスで働く魅力や苦労、家庭と仕事の両立について語ってもらった。
by はぎー(geechsマガジン編集部)

高い技術力を持ち、高収入の先輩エンジニアに憧れフリーランスに

吉田氏はフリーランスエンジニアとして活躍する24歳。2017年8月に法人を設立したばかりだ。

精力的に仕事に取り組む一方、プライベートでは2人の子供を持ち、父としての役割を果たしている。

吉田氏は18歳で高校を卒業し、すぐにフリーランスとして働き始めた。きっかけは丁度進路を考えていた時期に、友人経由でひとりのフリーランスエンジニアと出会ったことにある。

当時、吉田氏の周りにはフリーランスのような働き方をしている人もおらず、自分の知らない世界に興味を持った。「知らないことに挑戦してみよう」と勢いにも似た好奇心を持って、吉田氏は社会人一年目からフリーランスの働き方に挑戦する道を選んだ。

「正社員かフリーランスか、仕事を始めるときには正直悩まなかったですね。企業に新卒入社しようが、フリーランスであろうが、初めての就職はどちらにしても、覚えることが多かったりと、大変なことや辛いことがあるのは同然です。

もちろんフリーランスのほうが結果をシビアには見られますが、“やると決めたらやる”しかないと思いました。深く考えすぎず、苦しいことがあっても結果は後から付いてくると、がむしゃらに働いていました」

実務経験がない社会人一年目からフリーランスとして活動を始めることは、あまり多いケースではない。フリーランスは即戦力が求められるため、仕事を始めたばかりの頃の吉田氏は、営業活動などで苦労することも多かった。それでも乗り越えられたのは、フリーランスになるきっかけにもなったあるエンジニアの存在が励みになったからだ。

「その方は、フリーランスエンジニアを取りまとめて、仕事を受注していました。そのため周りにはたくさんのエンジニアがいましたが、中でも抜群に技術力があり、報酬も高額でした。そうした夢のあるロールモデルが近くにいたことが大きなモチベーションになりました。苦しいことがあっても、その希望が支えになり、頑張ろうと思えましたね」

家族の理解を深め、自分の覚悟を決めた“ある”事件

大きな希望と強い意志を持って、フリーランスエンジニアとしてのキャリアをスタートさせた吉田氏。実は、プライベートでも大きな出来事が起こる。

社会人2年目になった20歳で吉田氏は結婚し、第一子をもうけ、さらに翌年2人目の子供が生まれた。若くして一家の大黒柱となったこの頃、ある事件が起きる。

フリーランスは自分で時間管理を行わなくてはいけない。しかし、営業活動にかかる時間を見誤ってしまったことで、報酬に1カ月分の穴が空いてしまったのだ。さらに同時期に、ミスが重なり、吉田氏いわく、これまでで最も落ち込んでしまったタイミングになったという。

「とても辛い時期でした。自分の認識の甘さを実感し、家族にも迷惑をかけてしまったので、申し訳ないという気持ちが強かったです。

でも、そのときに私から離れていくことをせずに、共に悩んで応援してくれた家族は大きな支えになりました。苦しい時期ではありましたが、その中でも、この失敗から今後必要なものをしっかり見つけ、立て直すことができたのは家族のおかげです」

この出来事がきっかけで、フリーランスの働き方について認識を新たにして、自分を省みることができた。同時に家族もフリーランスの働き方への理解を深める機会にもなった。

フリーランスには、正社員に比べて自由になる部分が多いというメリットの反面、自分の責任も多くなる。それを改めて実感した吉田氏は、その後自己管理を徹底し、ここ数年年収700万円を安定的に得ている。

家庭と仕事を両立するフリーランスの働き方

吉田氏は、家族とともに支え合いながら、フリーランスエンジニアとしての実績を積み、今年で6年目になる。仕事で成果を出しながら、家庭では子育てにも積極的に参加しているという。

「帰宅したときに子供たちに『おかえり』を言ってもらうのが、今幸せを実感する瞬間です。子供と接する時間は大切にしています。忙しさを時間がとれない言いわけにせずに、時間を生み出すように意識していますね。具体的には朝の時間を活用しています。仕事を終えたあとは全て家族の時間にあて、自分の作業は朝に片付けるようにしています。

また、依頼されたタスクは詳細に分割し、それぞれに対して必要な日数をあて、より詳細で正確なスケジュールをクライアントと調整することで、無駄な業務時間が発生しないように務めています」

フリーランスをしていると時間の都合が付けやすいため、子育てにも役立っているという。家族が病気になってしまうなど困っているときに、時間を作って手助けをしてあげられるなど、家庭との両立がしやすいようだ。

未来のエンジニアたちへ、新しい選択肢を提示したい

吉田氏は2017年8月、株式会社Infreedを設立し、新しい挑戦をしようとしている。自分と同世代の若手や次の世代となる子供たちが、多くの選択肢の中から活躍できる環境や働き方を自由に選べる世界を実現することだ。

「会社単位で仕事を選ぶことになると、個人に素質があっても、その会社のやり方や文化に合わないと、なかなか活躍することができません。さらに、本人自身が“この会社しか選択肢がない”と思ってしまうと、精神的にもプレッシャーがかかってしまいます。

技術力をもった若手が、活躍できる環境を自由に選ぶことができれば、この業界はもっと活性化すると思います。だから、この会社を通して若手エンジニアを中心に、フリーランスの働き方を広めていきたいんです」

また、2020年を目処に小学校でプログラミングの必修化が決まっており、プログラミングが身近になることが想定される。吉田氏は、二人の子供がエンジニアにならずとも、日々の生活を便利にするための手段としてプログラミングを身につけられるようにサポートしていきたいという。

家族や周囲を安心させるには、まず自分の覚悟

フリーランスを検討されるエンジニアの中には、周囲からの心配の声を気にする方もいる。吉田氏によれば、そうした環境にいる場合で家族の同意を得るには、“結果を見せるしかない”という。

「まだフリーランスが完全に浸透していない以上、説得しても本当の意味で周りが納得するのは難しいと思います。だから、自分自身がきちんと仕事を全うして、直接見せるしかない。でも、本当は事例となるようなものがあると挑戦しやすいですよね。だから、僕自身が事例になれればとも思っています」

現在フリーランスの数は年々増え、以前のような“不安定”などのネガティブイメージは払拭されつつある。しかし、まだまだ事例が少ないのも事実としてある中で、家族や周囲の人に安心してもらうには、まず自分自身の“結果を見せるという覚悟”が大事なのかもしれない。

フリーランスには厳しさもあるが、かけがえのない大切な家族との時間を自分でコントロールできるし、家族の存在自体が大変な環境の支えになるという側面もある。吉田氏は、家族の存在を“責任感の根拠と生活の癒し”にして、人生を充実させている。

働き方の選択肢が増えている背景には、個人の価値観の多様化があり、私たちは人生におけるプライオリティーが、仕事にあるのか、家庭にあるのか、趣味にあるのか、自分で選択できる時代を迎えている。

こうした時代の変化の中で、自分の実現したい人生とはどのようなものか見つめなおすとき、自分にもっとも適した働き方が見つかるかもしれない。


☆寄稿者プロフィール☆

hagy_nはぎー(geechsマガジン編集部)
ITフリーランスと企業をマッチングするサービスや、フリーランス向け福利厚生プログラム「フリノベ」を提供するギークスに所属。ITクリエイターのための気軽な情報収集メディア「geechsマガジン」のエディター・ライターと、ITエンジニア向け無料イベントスペース「21cafe(ニイイチカフェ)」の管理人を兼務。イベントレポート・インタビュー記事を中心に執筆中。女性アイドルが大好きで、特にハロー!プロジェクトに心酔している。

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