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技術系コミュニティ運営者たちが語る、コミュニティの成長の軌跡──21cafe 4周年感謝祭レポート

2017.09.27 Category:勉強会・イベント Tag: , , , , ,

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ギークスが運営するITエンジニア・クリエイターのための無料イベントスペース「21cafe(ニイイチカフェ)」が4周年を迎えた。これを記念し開催された「21cafe 4周年感謝祭」では、多くのコミュニティ運営者たちが集まり、運営の工夫やノウハウを発表するLT大会が行われた。その様子をレポートする。 by まーや(21cafe管理人)

あきらめずに続けることが大事 

コミュニティ運営者によるLT大会のトップバッターは、「DevRel Meetup in Tokyo」の中津川氏。

毎月開催しているイベントの参加率はほぼ100%という特徴があり、東京にとどまらずアジア圏にも活動の場を広げている。

今回は「楽しいコミュニティの作り方」というタイトルで2015年9月から始めたDevRel Meetup in Tokyoの活動を振り返った。

DevRel Meetup in Tokyoでは、「DevRel HUB」という飲み会を毎週開催し、DevRelに興味のある方達が集まり、気軽に交流ができる場も作っている。

このようなコミュニケーションの機会が多いことも、非常に高いイベント参加率に繋がっているのかもしれない。

今年の7月にはDevRel Meetup in Tokyoの運営メンバーで「DevRelCon Tokyo 2017」という大規模なカンファレンスを開催した。来年の開催も決まっているという。

「参加人数が5人しか集まらなかった経験もあるが続けてきた。諦めずに続けることはとても大事。活動を続けていると助けてくれる人が現れます」と、中津川氏はLTを締めくくった。

成功していたコミュニティをクローズした理由

続いての登壇者は、LightningTalkLoversの佐々木氏。その名の通り、LTが大好きなエンジニアが集まり、おしゃべりをする感覚で気軽に登壇できるイベントを開催している。

発表のテーマは自由。細かいことにこだわらず参加者の“喋りたい”気持ちを大事にしている。今年の7月に第1回目のLT大会が21cafeで行われた。

佐々木氏のLTコミュニティの運営のはじまりは、LightningTalkLoversではない。2015年9月に「雑兵MeetUp」というLTコミュニティを立ち上げた時までさかのぼる。

佐々木氏は、雑兵をCTOなどの役職がついていない人、技術書の出版や寄稿などをしていない人、IT界隈で名前が売れていない人と定義し、いわゆる“すごくない人”たちがアットホームな雰囲気の中で、発表の経験を積む練習の場を作った。

しかし、回数を重ねるにつれ、常連の参加者も増え、経験を積んだ彼らはもはや雑兵ではない“すごい人”になっていた。雑兵Meetupで「初めてLTをします」と言っていた人が、今では大きなカンファレンスで登壇したり、大学で講師をしたりしているという。

すっかり雑兵のたまり場でなくなった雑兵MeetUpを2017年2月にクローズすることを決断。そして新たに“すごい人”も“すごくない人“も、とにかくLTをしたい人が集まるコミュニティ「LightningTalkLovers」を立ち上げることとなった。

形を変えながらも2年間LTコミュニティを運営してきた佐々木氏。「『すごくない人、集まれ』と募集をかけたが、結果的にはエッジの効いたすごい人たちばかりで、最高のメンバーに支えられてきました」と感謝の言葉でLTを終えた。

会場を変えると参加人数が増える!? 

3人目の発表者は、connpass内最大のグループメンバー数を誇る「IoT縛りの勉強会! IoTLT」を運営するのびすけ氏。

最近話題になっている電子工作ギャルユニット「ギャル電」もIoTLTから誕生した。個人主催で延べ人数6,000人を超える大規模コミュニティに発展させた秘訣を語った。

IoTLTのイベント参加人数は多い時で300人を超え、年々参加者は増え続けている。IoT自体のトレンドもあるが、ここまで参加人数が急速的に増えた理由は何なのだろうか。のびすけ氏がイベントを運営する上で一番注力していることは「会場を毎回変えること」だという。

イベントの初参加者は毎回半数程度。会場によって参加者の属性に違いがあり、ある程度会場に依存するように参加者が集まり、会場を毎回変えるごとに成長してきた。

イベントの開始時は、会場をあたためるため、ツイート練習をしている。まだ何も始まっていない状況だが「すごーい」「たのしー」など#IoTLTをつけて「とりあえずTwitterでツイートしてみましょう」と参加者に呼びかける。

この手法は、他のコミュニティ運営者からもとても好評で、「次回から自分のイベントでも取り入れたい」という声が多く上がった。

のびすけ氏の運営における基本コンセプトは「がんばりすぎない」だ。大規模コミュニティを継続して運営することは、モチベーションの低下や統制がとりづらいなどの苦労も多そうだが、「無料イベントでもあるし、みんな好きで参加している」と考え、参加者をあまりお客さんとして意識しないとのこと。

「自分が楽しんでいるところに人が集まってくることはとてもいいことだと思うので、自分自身が楽しめるイベントをすることが大事」と話し、運営ノウハウ満載の発表を終えた。

登壇ドリブンによる開発や学習

4人目の発表者は、We Are JavaScripters!を運営する田宮氏。

最初に乾杯から始める、飲み会のようにわいわいした雰囲気のLT会を開催している。テーマはJavaScriptやフロントエンド関連であれば何でもOK。初心者・中級者向けのイベントだ。

We Are JavaScripters!が目指すものは「全員登壇」。参加者全員が1度でも登壇の経験をすることを目標にしている。なぜ登壇にここまでこだわるのかというと、「登壇することは、自己学習のモチベーション維持に非常に有効な方法だ」と田宮氏は話す。

自己学習は、期限を切って進めていても自分の都合で簡単に期限を延ばすことができてしまう。また1人で学習するという孤独感もある。

しかし、登壇をするとなると、イベントの開催日に合わせて資料を作成するため、スケジュールをずらすことはできない。誘惑や忙しさに負けず、資料作りに向け学習することができる。

そして登壇後に、観衆から受けるフィードバックにより、一方通行の学習では得られない、多くの気付きが生まれる。

We Are JavaScripters!では、登壇することの敷居を下げるよう工夫している。イベントページには“初心者歓迎!”や“お酒を片手に気軽に発信できる場”と記載し、あたたかい雰囲気であることをアピール。

イベントでは、最初に乾杯をし、酒を飲んでからスタートすることで、場をあたため、登壇者の緊張を緩和させているのだという。

他にも、登壇者のレベルに配慮し、運営側で調整をしたり、参加者と登壇者の距離が近くなる会場を選ぶことも大事にしている。

こうした工夫もあってか、登壇希望者が非常に多く、枠を超える申し込みがきていることが今の悩みだと話す。

We Are JavaScripters!のスピンオフとして誕生した「We Are PureScripters!」のように、「スピンオフ企画がもっと増えて、We Are JavaScripters!以外でも登壇する場が生まれ広がっていってほしい」と語った。

生中継で東京と大阪でイベント同時開催 

5人目の発表者は、WebRTC Meetupの仲氏。日本でもっとWebRTCを流行らせたい、という想いで2014年にコミュニティを立ち上げた。

2ヶ月に1回のペースで勉強会を開催しており、これまでの参加者は、参加登録ベースで786名にのぼる。

WebRTCとは”Web Real-Time Communication”の略で、Webブラウザやアプリ上でビデオ/オーディオのリアルタイム通信や、データ通信を行うための規格である。

WebRTC Meetupは、日本におけるWebRTCの黎明期から活動しているコミュニティで、WebRTCに精通したコアなメンバーが中心となって発表等を行っていたため、自然と技術レベルが高めの勉強会になっていったという。

WebRTC Meetupの特徴は、WebRTCを利用したリモートセッションやリアルタイム配信を行っていることだ。

会場に来られない遠方の登壇者はリモートで発表をし、同じく会場に来られない参加者は、YouTube LiveやWebRTC 製配信アプリを通して、リアルタイムで勉強会の様子を見ることができる。

勉強会の模様は、第1回目の開催時から全てYouTubeで公開しているのでいつでも見ることが可能だ。

最近のトピックとしては、今年の8月の勉強会で、初の試みとして東京・大阪で同時開催し、東京会場の様子や大阪会場の様子を中継しながらLTやセッションが行われた。

また、2015年11月には、WebRTCの知見が深い海外の著名な方々を招待し、WebRTC Meetup Japanを開催した。今年の11月にも、シンガポールで開かれるIETF(The Internet Engineering Task Force)の会合に合わせて、海外のゲストを招いたMeetupの開催を考えているという。

5人のコミュニティ運営者によるLTの後は、飛び入りLT枠でさらに4人が発表。扱う技術がそれぞれ異なるコミュニティの運営話は、コミュニティを盛り上げるための工夫も成長の仕方も様々であった。

しかしみな共通して、楽しみながらコミュニティを運営しているということが伝わってくるLT大会となった。

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☆寄稿者プロフィール☆

まーや(21cafe(ニイイチカフェ)管理人)
ITフリーランスと企業をマッチングするサービスや、フリーランス向け福利厚生プログラム「フリノベ」を提供するギークスに所属。相方の「はるきち」と「はるまや」というコンビ名で、ITエンジニア向け無料イベントスペース「21cafe(ニイイチカフェ)」の管理人をしている。

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